NPO法人小網代野外活動調整会議は、「花さく小網代 花さく三浦 ハマカンゾウプロジェクト」と題し、ハマカンゾウの保全に取り組んでいる。メンバーによる維持管理のほか、市内の事業者や一般家庭に株を分けて栽培協力を仰ぎ、個体数増と夏の風物詩として認知度向上をめざす。
個体数28株から再生
ハマカンゾウは、ユリ科の多年草。7月末から9月にかけて濃いオレンジ色の花を咲かせ、関東から西側の温暖な海岸などで見ることができる。
かつて小網代の森の河口の干潟付近にも群生していたが、東日本大震災の高潮の影響で生息域が破壊されたり、盗掘によって個体数が激減した。小網代の森の保全を行う同法人によると、一時は28株ほどに落ち込んだものの、東芝ライテック(横須賀市)やDNPテクノパック(横浜市)が社会貢献活動の一環として、12年から17年まで事業所内での繁殖に尽力。その後、800株を森に移植、野生復帰に成功し、昨夏、エノキテラス周辺はハマカンゾウが咲き乱れた。
「小網代の森の自然保護を象徴する花、夏の三浦の花として親しんでもらいたい。そのためにはハマカンゾウのことを知り、育ててほしい」と同法人の石川紫穂さんはプロジェクトの趣旨を語る。
一般家庭でも育てやすい品種で、生息域外での株分けや採種も比較的容易。同法人では観賞用や種子の保存用としてポット株に分けて賛同者に提供し、栽培支援をよびかける。
現在は小網代の森インフォメーションスペース(三浦市民交流センター内)や市立小学校や保育園のほか、三浦市社会福祉協議会や上宮田の野菜直売所「ヒカリエ」、洋菓子店「プティクク」などに植え替えたプランターが置かれ、訪れた人の目を楽しませている。
今年も見ごろ
石川さんによると、今年は天候の影響を受けて例年より開花が遅めだが、「エノキテラス周辺で9月中旬頃まで楽しむことができるので、ぜひ多くの人にハマカンゾウを見てもらいたい」と話す。
また、今夏は市外からの観光客に森と花の魅力を知ってもらおうとPRにも力を入れ、大学生インターンがデザインを担当した「ハマカンゾウMAP」を新たに製作・配布。「来年の開花の最盛期は東京五輪の開催期間。美しい花の咲く三浦にも来てもらえたら」
栽培支援の詳細や申込みは、同法人【メール】moshapiko@gmail.comへ。
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