新型コロナウイルスの感染拡大により、三浦市は市内自治会での回覧板を使った情報伝達を当面の間、取り止めている。飛沫・接触感染を不安視する市民から相次いだ要望や相談にこたえたもので、市担当課は「地域内の掲示板とホームページなどを活用して、情報を確認してほしい」と呼びかけ、理解を求めている。
「不特定多数が触れる回覧板を中止してほしい」。市によると県内の新規感染者が次々と確認された3月頃から、文書の受け渡しによる感染拡大を不安視する市民の声が相次いで寄せられたという。回覧板を介した感染リスクは明らかになっていないが、「付着したウイルスはプラスチック表面で72時間残存する」といった報道もあるなど、他者との接触機会の減少を求める動きが一因とみられる。
従来は市政情報やイベント・地域活動の告知などの文書をファイルにはさみ、住民間で回覧していたが、こうした相談を受けて当面の中止を判断。代替手段として、市内約260カ所にある掲示板の積極的な活用、市ホームページへの誘導のほか、54の自治会組織を取りまとめる「三浦市区長会」のホームページも開設し、必要情報が常時確認できる環境を整えたという。原区の区長で「三浦市区長会」会長を務める山田光雄さんは、終息の見通しが立たない状況に憂慮しながらも、「住民の手間と感染リスクが減るなら協力したい」と理解を示した。
なお、広報紙「三浦市民」はこれまでどおり各戸配布される。
情報源断たれる人も
一方で、インターネットやスマートフォンを利用しない世帯や外出が困難な高齢者や障がい者らにとって、回覧板が情報源となっていたり、見守り活動につながっているケースも多い。市担当者は「感染拡大防止のためのやむを得ない中止だが、情報格差の解消が新たな懸案」と話し、「これを機にネットリテラシーの高い住民を中心とした情報共有のネットワークづくりなど、新しい共助の取り組みも必要」とした。
三浦市区長会のホームページは、【URL】https://mkuchoukai.wixsite.com/-site。詳細は市民協働課【電話】046・882・1111へ。
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