三浦市立小中学校のトイレの洋式化が、伸び悩んでいる。県平均が全国トップの約6割なのに対し、三浦市は4割に届いておらず、大幅に下回っている。財源確保や、校舎の耐震化・長寿命化といった優先的に着工するべき課題が多いことなどが実情で、市教委も改修の必要性を認識。6月の市議会本会議でも、今後の学校施設整備計画で洋式化を進める考えを示し、環境改善に努めるとした。
文部科学省が公表した統計によると、都道府県別の公立小中学校のトイレの洋式化率は、神奈川が58・4%(2016年4月時点)と全国で一番高い。一方、県内の市町村区別のまとめでは、三浦市立小中学校全体で491個のトイレのうち、184個が洋式便器でその割合は37・5%(マイナス20・9ポイント)。小田原、南足柄、伊勢原に次いで4番目に低い水準だった。全国平均と比べても5・8ポイント下回っている。
全国で改修加速化
「学校、保護者からも改修要望が多く寄せられている」。先月14日に開かれた三浦市議会本会議の一般質問で答弁に立った教育部長は、環境改善のニーズと必要性を改めて述べ、老朽化が顕著な給排水設備の改修工事とあわせて、洋式化を推進していく姿勢を明らかにした。
近年、家庭のトイレは洋式が一般的となり、和式便器の使い方が分からず利用を敬遠する児童生徒が増加。「暗い・汚い・臭い」といったイメージも払拭しようと、全国の学校施設で改修が進んでいる。
また、地域の災害時避難場所として多くの人を受け入れる学校の施設整備を見直す動きが、2016年4月に発生した熊本地震を契機に活発化。高齢者や障がい者も利用しやすく、衛生面でも優れた洋式トイレを導入する自治体も多い。
民間企業が寄贈
限られた市財政のなか、民間の財源を積極的に活用する学校独自の動きもある。
三崎小学校(及川圭介校長)では、大手製薬メーカー「小林製薬」が2010年度から地域貢献活動の一環として展開する「小学校に洋式トイレプレゼント」プログラムに応募。全国で10校が選ばれる本年度の実施校に決定したばかり。
今夏には男女各1カ所のトイレを洋式化するほか、床面の臭気対策、正しい使用方法を学ぶマナーアップシールが貼付される予定だという。
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