新春特別インタビュー 「ゼロ・ウエイスト」推進に新たな一歩を 森英二葉山町長に今年の抱負を聞く
本紙では新春恒例の企画として、森英二葉山町長に新春の特別インタビューを行った。森町長は今年、昨年に引き続きごみ問題を重点施策に掲げながらも、子育て・教育環境の充実にも力を注いでいく意向を示した。1期目も残すところ1年と少しの森町政。今後の舵取りに注目したい。
【聞き手/逗子・葉山版編集長 佐藤弦也】
昨年を振り返って
−まずは昨年の町政について。どんな1年だったでしょうか
森町長/昨年は以前から目指している「ゼロ・ウエイスト」、ごみの減量化・資源化に向けて大きな成果がありました。昨年4月から一色台地区をモデル地区として戸別収集と資源物の分別回収を試験的に始めましたが、現在まで約70%減量化に成功しています。また、同様の実験を牛が谷戸地区でも実施し、2カ月で約50%の減量化に成功しました。この2カ所でごみの半減を達成できたことは非常に大きな成果と捉えています。
この取り組みはごみ問題に関心の高い他の自治体からも非常に注目されており、昨年は九州や四国など3カ所のシンポジウムに参加し、葉山での取り組みについて講演をしてきました。今月30日には奈良県生駒市で行われるシンポジウムで基調講演を行う予定です。
−ごみ問題と言えば昨年クリーンセンターがダイオキシン類の排出超過で運転が停止になりましたが
その件については、現在原因の調査を進めています。町民の皆様にはご迷惑とご心配をおかけし、申し訳ございません。現在、町内で収集されるごみについては、横浜市や民間業者と委託契約を結び、処理をしています。クリーンセンターのあり方についても今後は検討しなければいけないと考えております。
−ごみ以外ではどんな成果がありましたか
ひとつは真名瀬海岸遊歩道計画の破棄、それに伴って漁港の整備として国に変更届けを出していましたが、昨年9月に変更が認められ、10月から船揚場の大幅改修が始まっています。これは公約実現の大きな展開と捉えるだけでなく、漁業の振興にも大きくプラスになることだと考えています。
−昨年、重点項目にあげていた教育・子育てについては
昨年4月の段階で28人いた待機児童が民間保育所の定員増によりわずかながら減少し、現在26人の待機児童がいます。本年も引き続き待機児童解消に向け、対策を考えていきます。また子宮頸がんワクチンの助成について、昨年12月議会で補正予算を通し、今年1月から3月の間に今の中学校3年生の女子生徒を対象にワクチン接種を受けてもらうことができるようになりました。以降の助成については今後段階的に進めていきたいと考えています。
最重要課題は「ごみ」
−以上の話を踏まえた上で今年の重要な取り組みについて教えていただけますか
やはりゼロ・ウエイストの推進、ごみ問題に向けた対応が最重要課題になります。冒頭お話したごみ減量化に向けた取り組みを今夏から全町内でスタートさせられるよう、現在準備を進めているところです。
また同時にごみ半減袋を家族数に応じて一定枚数を無料配布(超える分については有料)し、ごみの半減化を推進します。戸別収集と半減袋の同時導入は全国でも初の試みで、実現できればゼロ・ウエイストに向けた大きな一歩となります。またこの事業については地域の皆さんの協力が不可欠です。現状では、住民・ボランティアの皆さんの協力のもと明るい見通しになっていますので、この政策は慎重かつ積極的に進めていくつもりです。
−ごみ以外では、昨年大和ハウス工業から、町内にある土地100万坪の寄付の打診がありました
これは現状、打診があったというだけで、交渉自体は白紙の状態です。正式な申し入れがあれば環境保護団体やボランティアの方と協力して、環境保全や土地の活用などを含め色々な角度から検討したいと考えております。
−では最後に、町民に向けて新春のメッセージをお願いします
財政などまだまだ厳しい状況は見越される中ですが、本年も教育や子育てなど町民の方に必要とされる施策にも力を注いでいくつもりですので、本年もよろしくお願いいたします。またごみ収集方法の変更については、一部混乱する場面もあるかもしれませんが、町にとっても一番大きな政策でもありますので、町民の皆様には是非、ご協力をお願いします。
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