逗子・葉山版 掲載号:2012年7月20日号
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葉山の海水浴場の監視活動を行う「NPO法人葉山ライフセービングクラブ」の代表を務める 加藤 智美さん 葉山町堀内在住 32歳

救うより「起こさせない」

 ○…1986年、水難事故をなくそうと地元有志が立ち上げた「葉山ライフセービングクラブ」。今年からはクラブをNPO法人化し、新たなスタートを切った。森戸、一色、大浜長者ヶ崎。夏の間、葉山の海水浴場を見守る約70人のライフセーバー。その肩書きからは屈強な肉体で溺れた人を助ける姿を連想させるが、現場の統括者として「一番の目的」とするのが救助活動そのものよりも事故を起こさせない「未然防止」だ。

 ○…「ライフセーバーにとっては『救助したこと』ではなく『水難事故が無かった』と言えることが誇るべきこと」。これまでに2度、命に関わる水難事故に居合わせた。当時を振り返ると「本当に残念」と表情を曇らせる。事故があってから救うのではなく、事故を起こさせない。だからこそ監視活動に最も重きを置く。子どもが一人でいれば親にも声をかけ、波際で遊ぶ子がいれば目を光らせる。「子どもの面倒を見る母親のような感覚。海にいる全ての人がライフセーバーの目を持てれば本当は私たちは必要ない」

 ○…葉山生まれ、葉山育ち。元々泳ぐことが好きで大学時代にライフセーバーの門を叩いた。救助救命は第一義だが、とりわけ魅力的に映ったのが、海にくる人同士を繋ぐ先輩の姿だった。「海には泳ぎ、お酒、サーフィン、釣り、色々なことをしに来る人がいる。そういう人たちの間に入って皆が気持ちよく海を使ってもらえるようにするのは今もやりがいのひとつ」

 ○…楽な仕事ではない。夏の2ヵ月、本業を休業し、時間と労力の全てをあてる。「正直やめたいと思うことはある」。それでも毎年続けるのは若手に少しでも多くを教えたいという思いと、子どもたちに安心して海で遊んでほしいという願いからだ。自身にとってライフセーバーとは「繋がり」。「自分と人と海。メンバーの力を合わせて、この夏事故がないよう見守りたい」。葉山の海を前に決意を改めた。
 

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