逗子マリーナ(逗子市小坪)はこのほど、地域の観光拠点となる船舶係留施設「海の駅」に認定された。名称は「しょうなん・逗子マリーナ海の駅」。県内では7番目、全国では138番目となる。陸だけでなく海からの観光客も取り込み、地域を活性化させるのが狙いで、今後は飲食店などと提携を図りながら地域一体でのまちおこしを図るという。
海の駅は道の駅と同じく国土交通省によって登録されるもので「誰でも、気軽に、安心して立ち寄り、利用でき、憩える船舶係留施設」と定義づけられている。2000年に広島県で初めて設置されて以来全国的な広がりを見せており、三浦半島でも「うらが海の駅」や「みうら・みさき海の駅」などが登録されている。
「これまで会員だけのものというイメージが強かったが、今後は一般に開かれたマリーナにしていこうと手をあげた」と話すのは同マリーナを運営する(株)リビエラリゾート取締役の山崎哲雄さん。「小坪はワカメやシラスなど海産物も豊富。地域の特性を活かしたブランド化ができるのでは」と期待を寄せる。
マリーナには施設外からのレジャー用ボートを受け入れる「ビジターバース」が設けられており、利用者は海からそのまま地域を散策したり、食事を楽しんだりすることができる。地域の飲食店などがすでに8店舗「サポート店」として賛同しており、今後は飲食店とタイアップした企画などを展開していく。同マリーナでは同時に電気自動車のカーシェアリングや急速充電器を設置するなどエコタウン化構想も掲げており、活性化を後押ししたい考えだ。現在、同社では来訪者に情報提供するインフォメーションセンターやホームページの整備など準備を進めており、年明けの始動を予定している。
さらに将来的には海の駅を文字通り”駅”として繋ぎ、海上の定期航路を作る構想もあるという。「例えば葉山〜逗子〜江の島のように海の駅を結ぶ航路ができれば新たな観光資源ができて人が呼べるし、地域の人の足にもなる」と山崎さん。同社が指定管理者を務める葉山港も11月に海の駅に認定される予定で、今後運行会社と調整を図りながら、具体化に向けた検討を進めていくという。
低い認知度、定着なるか
観光地でよく目にする「道の駅」と比べて、さほど認知度が高くない「海の駅」。実際、全国に138の駅が登録されているが、ブランドとして成功している事例は少ないという。観光振興、地域活性化のカンフル剤として活用するには人を呼び込むための「仕掛け」が必要になる。千葉県の「きょなん・ほた海の駅」では漁協直営の食堂で鮮度抜群の魚介が手頃に食べられるとあって、来訪者から人気を博しているという。海の駅は標榜する看板が掲げられないなどハードルは少なくないようだが、地域が一体でまちおこしに取り組む機会。クーポンを片手に飲食店をまわる「ちょい呑み」や「街コン」もいい。海の駅を定着させるためのアイデアが求められる。
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