10月10日に逗子文化プラザで開催される「ドラゴン・コンサート」の実行委員長を務める 徳永 淳二さん 逗子市逗子在勤 37歳
音楽でひとつに
○…4年前、医師として海外に留学した際に知り合った音楽家らと「音楽でアジアを繋ごう」と8月に香港で音楽コンクールを企画した。会場には音楽家を志す多くの若者が参加し、初の試みは無事成功を収めた。自身が実行委員長を務めるドラゴン・コンサートは文化交流の第2弾。香港で入賞した若き演奏家らを逗子に招く。こちらも初の試みに準備に追われる日々だが「両地域を橋渡しするきっかけに」と意気込む。
○…音楽でひとつに―。その想いが多くの人を繋げた。世界の前線で活躍する音楽家に若き演奏家、後援には外務省や市も巻きこむ。「言葉がなくても通じ合うことができる。音楽だからこそできること」。香港や日本の若者が心震える演奏を披露した香港コンクール。そこに国境はなかった。しかし、逗子のコンサートの準備が進む一方で領土問題に端を発して日中関係が悪化。懸念はないかとの問いに「政治は政治。これまでの親善交流の歴史と音楽の力を信じたい」と言葉に力を込める。むしろこう思う。「音楽を通じた文化交流。こうした草の根運動こそが平和への道筋ではないか」
○…学生時代、自身も独学ながらチェロを嗜んでいた時期がある。腕前のほどを尋ねられると「今は指も動かない。自分で聴いてて苦しくなる音しか出ないですよ」と苦笑い。逗子に歯科医院を開業して2年半が経つ。仕事も軌道に乗り多忙な日々だが、いつかまた音楽をやりたい思いはある。「自分も演奏する側になって、音楽家の人たちの仲間に入れてほしいですね」
○…開催場所に逗子を選んだのは「地元で音楽を学ぶ子どもたちの刺激に」という思いから。「自分たちと同じ年代で世界を舞台に演奏する子がいる。音楽の世界の広さを感じてほしい」と願う。今回をきっかけにゆくゆくは逗子から世界に羽ばたく演奏家が出れば―。コンサートは香港と日本を繋ぐ未来への”架け橋”。その第一歩へ、力を尽くす。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|