葉山町は、待機児童対策として新たな認可保育園を設置、運営する法人を募集する。2014年4月の開所を目標としており、ここ数年来問題となっている待機児童の解消を目指す。今月中に公募し、年明けにも選定を進め、3月には事業者を決定したい考え。
14年4月の開所目指す
町によると今年4月時点での待機児童数は26人。10月現在では38人にのぼる。町内の認定保育園は町立の「葉山保育園」とNPO法人が運営する「葉山にこにこ保育園」の2園で、現在185の定員に対して217人が入所している。
町ではここ数年来、慢性的な待機児童解消に向けて、定員を段階的に増やしてきた。08年には140人だった定員を翌09年には150人、10年には160人、12年までには185人に拡大したが、待機児童数は14人から26人に増えている。背景には、町への転入者や、共働き世帯の増加などがあげられ、今後も年間あたり5人から10人程度の待機児童増加が見込まれるという。町では、財政難から新たな町立保育園設置は難しいのが現状で、国と県からも建設補助があり、町の財政負担が少ない民間事業者による新設を決めた。
新園の定員は60人。設置場所、建物を新設するか既存施設を活用するかなどについては条件を定めない。応募資格は【1】県内で認可保育園を運営している法人【2】町内および近隣市で社会福祉施設を運営する社会福祉法人【3】関東圏内で認定保育園を3年以上運営している法人、のいずれかとしている。町は新園の建設費4分の1と年間3千万円程度の運営費を補助するという。
9人に1人、入園は「狭き門」
葉山町の未就学人口は今年1月現在で1663人。定員185の認可保育園に入所できるのは9人に1人の計算になる。これは鎌倉市4・5、逗子市7・2人、三浦市4・7人に1人、という近隣市の状況と照らし合わせても極めて高い。
町内には認可保育園以外にも、民間が運営する認定保育園が2園あるが、定員60人と待機児童が増加傾向にある中、十分な受け皿とは言えない。さらに所得や年齢に応じて保育料が優遇される認可保育園に比べて費用負担が大きく「入園待ちをしてでも、認可保育園を利用したい」と考える世帯が後を絶たないのが現状だ。
認可保育園の不足は全国的な問題とは言え、実際には申請をしていない潜在的な待機児童も多数いると考えられるだけに、葉山町での認可保育園の新設は急務と言える。加えて、国や県の取り組みとは別に独自に保育の受け皿を拡充する仕組みづくりが求められる。
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