東日本大震災から丸2年を控え、逗子市ではあす9日(土)から11日(月)まで、今後の震災支援や防災について考えるイベントや講座が行われる。テーマは「忘れない、つなげていく」。行政のほか市民団体による企画も予定されており、官民一体で機運を盛り上げる。
昨年に続く2度目となる「3・11逗子 6万人のキャンドルを灯そう」。11日当日は黙祷を捧げる集いが行われるほか、市民交流センターや市役所を中心にイベントが予定されている。
市民交流センターに設けられた展示コーナーでは、被災地支援活動を行っている5団体がパネルなどで活動を紹介するほか、現地特産品を販売(9日〜11日)。防災に関する知識や経験を共有する。講座では震災以降、岩手県陸前高田市で支援活動を行っているNPOの代表理事から被災地の現状を聞く「被災地の今!これからの被災地支援を考える」(9日、午後2時〜4時)が行われるほか、市民団体同士で情報交換をしながら災害の視点を取り入れる「逗子∞(つながる)カフェ」(10日、午後2時〜4時)が行われる。昨年実施したキャンドルナイトは文化プラザフェスティバルパークを会場に今年も実施。メッセージを書き入れたろうそくを灯す(11日、午後3時〜8時)。事前にオリジナルろうそく作りの教室も(9日・10日午前9時〜正午)。同プラザさざなみホールでは災害救援ボランティアセンターの設置運営訓練を実施する(11日、午前10時〜午後3時)。
JR逗子駅と東逗子駅では市民団体により献花ブースが設けられるほか、自宅で灯す用のろうそくが配布される。詳しくは市特設ホームページ(「忘れない、繋げていく」で検索)まで。
「釜石の奇跡」約350人が聴講
「想定を超える災害にどう備えるか」と題した講演会が3日、逗子小学校体育館で行われた(=写真)。全国各地で防災教育を手掛ける広域首都圏防災研究センター長の片田部敏孝さんが講師を務め、災害に対する心構えを参加者らに説いた。
宮城県釜石市は先の震災による津波で壊滅的な被害を受けたが、片田さんが指導していた小中学校では99・8%が命の危機を逃れことから「釜石の奇跡」と呼ばれる。
片田さんはまず、災害への備えは主体性が重要と指摘。震災で「防災無線が流れていなかった」との理由で避難しなかった人の話を例にあげ「自らの命なのに行政まかせになっていないか。自分の身は自分で守る姿勢が大事」と強調した。実際に釜石市では被災時、校舎への避難計画がたてられていたが子どもらが率先して高台を目指し、九死に一生を得たという。「避難計画を守ることではなく命を守ることこそ第一義」と繰り返した。また海沿いのまちに暮らすことについて「リスクに対する正しい認識を」とも。「便利さとリスクが同居するのは車に乗ることと同じ。風光明媚で温暖という利点があれば、災害時に危険があるのは裏表。どちらを取るか、それも主体的に判断すべき」と呼びかけた。
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