設備の老朽化に伴い、葉山町は災害情報などを町民に伝達する防災行政無線を再整備する。12年から13年度の2カ年事業で、工事費は1億4490万円。柱やスピーカーなど設備を取り替えるほか、無線の伝達システムも見直す。今月中にも着工し、年内の工事完了を予定、今年度中の供用開始を目指す。
町が現在運用している防災行政無線は1987年に開局。26年が経過し、スピーカーや柱など設備の老朽化が進んでいたため、設備全てを取り替える。
さらに町では現在、防災行政無線を使う際、消防署から戸根山山頂の「親局」を経由して町内42カ所に設置された「子局」からそれぞれ情報を流しているが、今回の再整備に伴い新たな無線システムに移行する。
導入するのは一般財団法人「移動無線センター」が運用する「マルチチャンネルアクセス(MCA)無線」。複数の無線局が複数の無線チャンネルを共有する通信システムで、電波帯を有効活用することから混信がなく、被災時などに有効な通信技術として注目が集まっているという。
同法人は葉山に制御局の一つを設けており、有事の際などに安定して電波利用ができるほか、現状のシステムを踏襲して整備するよりも費用が安価に見込めるため、同システムの導入を決めた。今回の整備で消防署に設置されている発信拠点やJアラート(全国瞬時警報システム)は役場に移設する。
また葉山町には山間や谷戸が多く、難聴地域から「無線が流れても音が反響して聴こえない」といった住民の声も多かった。難聴地域にはこれまでの一方向性のトランペット型のスピーカーから無指向性の円盤型のものに付け替えることで解消を図る。円盤型は従来のものよりも音声が聴こえるエリアが広いため、10カ所に設置することで難聴を解消しながら現在42あるスピーカーは28に減らせるという。新たな無線設置場所については地質調査の結果などを踏まえながら選定。基本的には現在の設置場所を踏襲するという。
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