まちづくり市民団体「ずし60’s(ろくじゅうず)」の代表を務める 石井 達郎さん 逗子市山の根在住 62歳
価値ある場、作りたい
○…勤め時代は毎朝会社に通い、寝るためだけに帰る日々。ようやく定年退職を迎え、地元に腰を据えて何かしようと思ったもののさてどうしたものか。そんなリタイア世代にまちづくりに参加してもらおうと昨秋、市民協働で「60’s(ろくじゅうず)」が立ち上がった。コンセプトは「まちのあったらいいを作る」。準備委員に公募市民が加わり、現在21人がアイデアを形にするための企画会議を重ねる。自身はその旗振り役だ。
○…「最初は気乗りしなかったんだけどね」とぽつり。市から地域の60代を中心とした市民団体の立ち上げを打診されたのが昨年始め。逗子には地域の若手を中心とした30’s(さんじゅうず)が先行してある。しかし長年地域と関わりがなかった人に突然「まちづくりに参加せよ」と言って果たして何人が参加するのか。そんな杞憂からだった。そこで受け打ち出したのが楽しみつつも少々の収入を得る仕組みを作ろうという方針。構想段階だが、市民が誰でも集えるコミュニティーカフェを作るアイデアもある。「完全無償ではきっと長続きしない。それに無理をしないこと。30’sの人と違って年ですから」と笑う。
○…自身の”地域デビュー”は10年ほど前。近隣マンションの建設反対運動に参加したのがきっかけだった。以後、まちづくり基本計画策定委員やほととぎす隊への参加、田越川の一斉清掃を発案したりと地域活動一心に。亀岡八幡宮で始めた「逗子コミュニティパーク」は今年10年目を迎え、今や地域馴染みのイベントになった。「新しいものができれば新たに価値や可能性が生まれる。それを作り出すのが何よりのやりがい」
○…新たな場を作っても持続しなければ意味がない。カフェ構想も他地域の見学を通して子育てや福祉などプラスアルファの要素がなければ経営として成り立たないことを知った。「メンバーは熱心な人が多い。仲間と一緒に活動を形にしたい」と意気込みを滲ませた。
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