沼間在住、橋本さん 故郷福島、作品に 9日から横須賀で展示
「忘れないで」原発被害今もなお
わが目を疑った。3年前の震災後、テレビで目にした福島第一原発の爆発事故。見慣れた故郷が、親類や友人が渦中に巻き込まれた。今も被害は収束を迎えず、胸を痛める日々は続く。そんな故郷への思いを込めた自身の作品展「3・11あの日を忘れない 橋本栄展」が3月9日(日)から16日(日)まで、横須賀三浦教育会館(横須賀市日の出町)で行われる。
橋本さん(66)は現在、逗子市沼間に暮らす。長年同市内で教職を務める傍ら、趣味で筆をとってきた。これまでは子どもの頃の体験などを主に描いてきたが、震災後故郷のことが頭から離れず、作品にするようになったという。「本当にのどかでいい所だったんです。それが今では」と声を落とす。幸い、実家がある小野町は原発と山地を隔てていたために甚大な被害は免れた。だが、見知った原発近くのまちは津波の被害で変わり果てていた。
乳飲み子を抱える母親や逃げ惑う親子。「皆とにかく家族を守ろうとしていた」。荒々しいタッチで描かれた作品にはそのイメージが息づく。途方に暮れ抱き合う老夫婦は亡き両親を描いた。「父と母が生きていたら、きっとこうなっていたんじゃないかと思って」。原発の被害は今もなお続いている。「遠く離れた逗子の人たちも忘れないでほしい」と橋本さんは呼びかけた。開館は午前11時から午後5時。問合せは同館【電話】046・824・0683
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