2020年、東京五輪。世界の頂点を決めるスポーツの祭典で活躍が期待される未来の原石が、逗子市にもいる。5年後の大舞台を目指し、日々鍛錬に励む2人の若きアスリートの今に迫った。
昨年12月21日に行われた「天皇杯全日本レスリング選手権」。国内選手の頂点を決める大一番、シーズンの集大成ともなる大会で60kg女子の部に出場し、3位入賞、見事メダルをつかんだ。高校1年生から出ている天皇杯で、最高成績はベスト8。初めての表彰台に喜びをかみ締めていると思いきや、感想を問うと唇をかんだ。「決勝戦を見て、2選手とも自分と実力に差を感じなかった。悔しい方が大きい」
実力は本物だ。小学生のころから全国大会で優勝を重ね、レスリング強豪で知られる高校に進学。高校2年のときには初めて出場した世界選手権で頂点に輝いた。幼いころから夢みてきた五輪出場が目標の2文字に変わった瞬間だった。
だが、大学に進学してからは不調にあえいだ。一つ秀でたものがあれば勝てていた高校時代と違い、総合力で劣ると白星がつかめない。結果がついてこない日々が続き、「今のままじゃ駄目だ。でもどうしたら」と気持ちだけが空回りした。
転機は、国際大会に繋がる大会で高校の同期と対戦したとき。自分と似た境遇にいたはずが、相手は進学後も成績を残していた。「絶対に負けたくない」。くすぶっていた闘志に火がついた。その大会を優勝で飾ると、10月の全日本女子オープン選手権、11月の全日本社会人選手権とアメリカで行われた国際大会で立て続けに優勝した。
部で女子はわずか4人。男子に混ざっての厳しい練習だが「女だからといって手加減せず相手をしてくれる。すごくいい練習ができてる」と厭わない。最近では自分の成長を感じられるようにもなってきた。「今回の大会で、世界選手権を狙える位置にいることは分かった。自分にはまだ伸び代がある。まずは全日本をとって、その先へ進みたい」。4年生までに全日本をとることができれば、五輪出場も見えてくる。憧れの夢舞台、他の誰かではなく、自分が行くんだ――。その決意を胸にリングで闘志を燃やし続ける。
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