「ランニングバイク」と呼ばれる幼児用の自転車がある。ペダルがなく、地面を蹴って前に進む自転車で、ここ数年で爆発的な広まりを見せている。このランニングバイクにいち早く商機を見出した女性が逗子市にいる。自転車関連商品の輸入卸売業を営む「ニコライド」(新宿)の川島直子さん(41)だ。
ランニングバイクとの出会いは6年前。元々自身の経験から子育て家族が自転車を使う上での「あったらいいな」というニーズに応えようと会社を立ち上げて間もなくだった。展示会で目にした見慣れない自転車は日本ではまだ知られていなかったが、子どもたちが楽しそうに遊んでいる。元々化粧品メーカーの企画職でマーケティングや商品のプロモーションを手掛けていた川島さん。先見の明はあった。「これなら子どもが自転車の練習をするのも容易。絶対に(流行が)くる」
その後米国製の自転車メーカーが作るランニングバイクの卸売輸入販売を始めたところ1年目から100台以上を売り、メーカーが在庫切れになる盛況ぶり。予感は的中だった。さらにその後、ペダルが後付けできるドイツ製の商品を新たに追加。口コミは瞬く間に広まり、昨年は約1500台を売り上げた。「地元で扱っている商品を使ってくれている人を見かけると本当に嬉しい」と川島さん。子育て世帯のニーズをつかんだ商品の広まりに確かな手ごたえを感じている。
交通安全啓発にも尽力
仕事の一方で、小学生未満への交通安全指導の必要性を訴える川島さん。ランニングバイクの普及に伴い、自転車に乗る子どもが低年齢化しつつあるためだ。川島さん自身も販売店と協力しながら、親子を対象にした現行の交通ルールの周知や自転車の乗り方の指導に力を注ぐ。「この道でやっていくと決めていますから。子育て世代にそういうことを伝えていくことも自分の役割だと思っています」
逗子・葉山版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|