部員数2人。廃部も危ぶまれる野球部は、夏の選手権で県内初となる3校(釜利谷・三浦臨海・横須賀明光)合同チームで出場する。単独では、試合はもとより練習も満足にできない絶対的ハンデ。しかし、グラウンドにはウィークポイントを感じさせない威勢のいい掛け声が響く。「締まっていこう」「ナイスバッティング」2人とは思えないほど覇気で溢れている。
所属するのは川西俊輔(2年)と後藤祐紀(2年)。同級生で互いに中学1年から野球を始め、センターとライトを守る同じ外野手。次々と部を去る仲間の背中を見送りながらも、2人だけは「大好きな野球を続けたい」と強い信念を貫いてきた同志であり、相棒だ。
平日の練習は放課後の約3時間。1分1秒も無駄にしない。限られた時間内でも効率よくバッティング練習などを行う。1人あたりの練習量を増やす工夫を凝らし、大所帯にはないメリットを「人が少ないからこそお互いの動きを意識し、遠慮せず指摘やアドバイスができる」と口を揃える。1人でもできる筋トレやランニングは自主練でこなし、唯一3校が集まる土日は練習試合で実践を積み、ダブルヘッダーも珍しくない。
幾度となく、2人の口から衝いて出るのは”勝利”という言葉。1試合の重みと皆でプレーできる喜びを知るからこそ、たとえ劣勢と言われても下を向かず諦めない。「相手のピッチャーを潰すくらいの勢いでぶつかる」「初戦の球場は相手のホーム。プレッシャーをはねのけて臨みたい」―勝利に貪欲に、初戦突破へ突き進む。
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