逗子海水浴場が今夏の開設期間を終えた。市の発表によると今シーズンの来場者数は前年比17・8%増となる23万7200人。天候不良の影響などで近隣の海水浴場の客足が落ち込む中、海上アスレチックや家族客向けのイベントなど新たに始めた取り組みが奏功したとみられる。一方、マナー周知などで来夏に向けた課題も残った。
昨夏、「日本一厳しい条例」を施行し、風紀が改善した同海水浴場。市は今夏、治安や風紀の維持とともに半減した客足の呼び戻しを図ることを目標に臨んだ。
だが、今シーズンは冒頭からマイナス要素が重なった。7月には台風が相次ぎ、8月にはシュモクザメとみられる魚影が茅ヶ崎沖で多数確認され、湘南一帯で遊泳が一時禁止に。シーズン後半も曇天が続くなどし、鎌倉市では前年比3割、三浦市でも2割近く落ち込んだ。
一方の逗子。週末を中心に子どもや家族向けイベントを多数用意し、夕涼み時に催した企画では約6千人を集めたほか、今年初めて設置した海上アスレチックでは約1万5千人を集客した。先月31日の定例会見で、平井竜一市長は今夏の来場者数について「天候の影響もあり、もう少し欲しいと思う部分もあったがまずまずの数字」と評価。治安や風紀についても「おおむね維持できている」と振り返った。
今夏の逗子海水浴場では目立ったトラブルは起こらなかった。ただ、条例が規制する砂浜での飲酒や入れ墨・タトゥーの露出には罰則がなく、海水浴客のマナー違反が増加。今夏のマナーアップ警備員による注意件数は6704件で昨夏よりも2千件近く増えた。特に飲酒が全体の6割を占めており、警備員が立ち去った後に再び飲み始める若者も見受けられたいう。平井市長はこうした実情について「条例周知の一方で罰則がないことも同時に広まってしまっているのでは」と推測。「来場者に向けたルール順守が今後の大きな課題」とし、来夏に向けては市民や海の家の事業者らを交えながら引き続き対応策を検討していくとした。
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