「逗子海水浴場の運営に関する検討会」の座長を務める 三宅 譲さん 逗子市逗子在住 59歳
多角的視点にこそ意義
○…月に1度、自治会や海の家関係者、市民委員らがそれぞれの視点で海水浴場の運営について議論を重ねる検討会。自身は座長として全員の意見を汲み取るよう、中立の立場での進行を心掛けてきた。「それぞれの立場で意見が違う。難しい役目だった」と振り返る。今月16日には意見をまとめた最終報告書を市長に提出。「昨年の総括という意味では一段落ついた」と一息つくも、今シーズンはこれから。「今年の海がどうなっていくのか、注視していかなければ」と襟元を正す。
○…老若男女が楽しめる海にするにはどうすべきか。安心安全という道標はある。だが一方で、唯一の答えはないとも感じている。海の家の営業時間を例に取り、「近隣住民の方は現状維持、海の家関係者は延長を望んでいる。双方に切実な事情があり、両得の形は難しい」と指摘。つまりは立場が違えばその数だけ「理想の海」も異なる。重要なのは落とし所であり、それぞれが納得できるラインをどのように引くか。だからこそ「多角的な視点で議論をすることに意義がある」と考えている。
○…本業は司法書士。逗子で不動産会社を経営する事業主でもある。長く逗子に暮らし、逗子で商いをしてきただけに当たり前にある地元の海に対して特別な感慨は持ち合わせていなかった。だが、検討会に参加して意識も少し変わった。「我々と違って普段都内に勤めている人にとって、海は休息の場所であり、過ごすのは特別な時間なんだなと」。「逗子の海はいい」。そう再認識させられた。
○…今夏の運営については、最終報告書を受けて市長が間もなく方針を打ち出す。今後の活動もこれを受けてからになるが、「目指すべきは安心安全を担保し、誰もが楽しめる海。その思いを共有して、忌憚なく意見を出し合える機会をこれからも作っていきたい」。逗子海岸が今夏、どんな道筋を辿るのか。メンバーとともに目を凝らしていく。
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