ドキュメンタリー映画「The Calling〜神様から与えられたお仕事」で初監督を務めた 長島 一由さん 逗子市新宿在住 49歳
次なるステージ映画で
○…「いいものが撮れた。まとめるのに苦労したが、問いかけたかったことを落とし込めたと思う」と処女作の出来栄えに自信を覗かせる。脳性まひの天才画家の膨大な映像記録に加え、新たに撮影した今を織り交ぜることで、その人生の機微を浮かび上がらせた。企画、撮影、構成、編集まで一貫して携わった労作。メガホンを取ったのは18年前、当時全国最年少で当選した、あの元逗子市長だ。
○…テレビ局の報道記者だった20年前、ドキュメンタリー特番の取材で出会ったのがきっかけだった。「一番印象に残って、影響を与えられた人たちだった」と振り返る。さらに「実は政治の世界に足を踏み入れたのも親子2人がきっかけ」とも。車いすを押す画家の母が言った「日本は歩道のわずか数センチの段差をなぜなくせないの」との話に誘発され出馬を決意。市長就任後は県内で真っ先に市道のバリアフリー化に取り組み、13%ほどだった整備率をわずか3年で解消した。
○…今作は回顧録であると同時に、障がいを抱える人々の働き方への投げかけでもある。活用したのは、複数人がネット上で情報共有できるクラウドサービス。ハワイ在住の画家が絵を描き、東京のデザイナーがデータ化し、大分の営業マンが企業に売り込む。言葉が話せず、身体が不自由でも分担することでネット上で仕事を完結させる、そんなモデルケースを作り上げた。
○…報道記者、政治家、雑誌編集長、映像作家。一見経歴に脈絡はないが、そこには一貫した信条がある。曰く、社会のために自分しかできないことを成し遂げること。現代社会が抱える課題へのアプローチが、「今は政治でなく映像になったということ」。今作で物語の柱にした天職。自らの天職を問うとこう返した。「人生は掛け算。例えば『記者×映画』と掛け合わせることで今までにないことができる。掛け算の解、つまりは今の自分自身が天職ということなのかもしれない」
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