10月8日から作品展を開く「キルトハウス940」を主宰する 石渡 やすえさん 逗子市沼間在住 58歳
「自分らしさ」手作りで表現
○…黄色に茶、黒。様々な色や柄の布地を組み合わせ、1針1針慈しむよう丁寧にパッチワークを仕立てていく。「これはハロウィンをイメージして。生地をたくさん使って繋ぎ合わせるんですよ」。今年20周年を迎えた教室の2年ぶりとなる作品展。自らも大型の壁掛けや小物などを出展する。「出来上がりを思い浮かべながら無心で制作に没頭できるのがキルトのいいところ」。制作中の作品を手に朗らかな笑みを浮かべた。
○…幼少の頃から編み物や裁縫が好きだった。きっかけは結婚後、夫の転勤で渡米して。元々パッチワークに興味があったこともあり、本場で技術を学ぼうと手工芸店の教室に通うようになった。「向こうは細かく作業する日本と違って作り方が大雑把。でも逆にそれが自分の性格と合っていて」と笑いながら当時を振り返る。魅せられたのは、制作者に委ねられる表現の幅。伝統的な幾何学模様をアレンジしたり、配置を変え、他の模様と組み合わせたり。正解がない分、形は無限にある。そこから生まれる「自分を表現する楽しさ」にのめり込んでいった。
○…帰国後、横須賀市の手芸店で勤めたのち、自宅の一室で米在住時代の番地を冠した「キルトハウス940」を開いた。モットーは「好きなものを自分のペースで」。生徒は年齢層幅広い20人余りで、市外から長年通う人も多い。日常の何気ない話題に花を咲かせつつ、各々が作品づくりに興じる。そんな和やかな光景が20年来続いてきた。
○…作品展の目玉は生徒が作品を持ち寄って一つに繋ぎ合わせる「フレンドシップキルト」。今年は「ハート」をテーマに多彩なデザインが出揃った。同じ題材でも使う布や幾何学パターンで出来上がりは様々。表情の異なるパッチワークの数々がベッドカバー大の作品を彩っており、手作りならではの温かみにも溢れる。会期は3日間。「生徒さんたちの個性豊かな作品を楽しんでもらえれば」
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