2020年東京五輪セーリング競技の江の島開催に向け、神奈川県は湘南港(藤沢市)に停泊しているディンギー(小型ヨット)の一部を移設するため、葉山港を改修する。18年度中の供用開始を目指しており、今年度補正予算案に工事の設計費2935万円を盛り込んだ。
小型ヨットの保管場所確保
江の島内にある湘南港には現在、クルーザーやディンギーなどおよそ千艇が停泊。大会中は競技用のヨットなどの置き場所になることから一時的な移設先が必要とされている。
県担当課によると、葉山港内の船舶保管地を立体化し、現状の200艇から300艇程度に保管数を増やすことで湘南港のディンギーを移動させる。総工費は「設計を経るまで具体的には示せないが、数億円程度」(同課)と見込んでいる。
18年には五輪の事前大会が予定されており、今年度測量・調査・設計を行い、17年度工事、18年度に供用を開始する計画。改修した保管地は大会後もセーリングの普及拡大のため活用する方針で、黒岩祐治知事は12日、県議会の答弁で「江の島でのセーリング競技開催を契機に多くの国際大会の開催が見込まれている。葉山港を湘南港とともにセーリングの拠点として活用したい」と述べた。
葉山港は1964年の東京五輪でも湘南港のサブハーバーとして使われたほか、98年の「かながわ・ゆめ国体」では成年女子ヨット競技の会場にもなった。現在も「日本ヨット発祥の地」として年間40回程度のレースが行われている。
江の島大橋3車線化
県は葉山港の改修設計費のほか、江の島と国道を繋ぐ江の島大橋(延長324m)の改修のための工事設計費3170万円も補正予算案に盛り込んでいる。具体的には橋の欄干を外側に広げ、中央のゼブラゾーンをなくし、現状の2車線の道路を3車線に拡幅。慢性化している渋滞の緩和や大会開催時の円滑な運営などに役立てるという。
県は両事業をセーリング競技江の島開催の関連事業費として6105万円を計上した。今年度一般会計補正予算案は10月14日に県議会で審議される。
逗子・葉山版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|