大正から昭和期にかけて活躍した日本画家、山口蓬春(1893―1971)の自邸として使われた「山口蓬春記念館」(一色2320)の画室が来月上旬から一般公開を再開する。建築から60年余りが経ち、老朽化が進んでいたため昨年10月から補正工事を施していた。近く数々の画業が生まれたアトリエが、往時の姿でよみがえる。
山口蓬春は東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、画家としての活動を開始。伝統的な日本画を探求する一方で西洋画の技法を取り入れるなど独自の画風を作り出し、当時の画壇で数多くの業績を残した。
建物は既存の木造2階建ての家屋を蓬春が自邸として購入。その後、大学の同窓で近代数奇屋建築の名匠といわれる吉田五十八(1894―1974)が増改築を手掛けた。
同館によると補正工事は基礎部分を中心に行い、五十八の設計図をもとに施工。室内の壁や床も補修し、当時そのままの様相がうかがい知れるようになるという。
同館では、今回の工事竣工を記念して、建物見学を兼ねた説明会を企画。施工した業者が工事中に発見したエピソードや当時の状況を映像などを交えて紹介する。2月17日(金)午後2時から3時。参加費無料(但し入館料要)、定員20人で2月7日(火)までに同館に申し込む。
問合せは同館【電話】046・875・6094
画業の一端垣間見る
同館では現在、新春展「山口蓬春邸のおもてなし―蓬春夫妻の美意識を探る」を開催している。3月20日(祝)まで。
同展では蓬春と日本画を学んだ春子夫人の作品のほか、生前優れた目利きでもあった蓬春が収集した絵画や古陶磁などを一挙に展示している。期間中は同館と同じく吉田五十八が設計を手掛けた鎌倉市鏑木清方記念美術館(同市雪ノ下)との連携イベント、学芸員による展示の解説(毎週日曜午後2時〜)もある。なお、画室は補正工事完了まで非公開。
開館は午前10時から午後5時(入館4時30分)。月曜休館。入館料は一般600円、高校生以下無料。問合せは前述同館へ。
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