屏風やふすまなどを表装する経師(きょうじ)店(表具店)を逗子市桜山で営む植木延行さん(49)が、この秋から一風変わったサービスを始めた。一級表具技能士の腕を生かした、オリジナルの御朱印帳だ。生活様式の変化などで表具の需要が落ち込むなか、「伝統の技術を多くの人に知ってもらえたら」と話している。
10月に参加した市商工会主催のイベントで商品を考案するうち、「若い人にもブームの御朱印めぐり。それなら御朱印帳はどうか」と発案。表装には掛け軸の布地を使うほか、使わなくなった着物や帯など、持ち込みの布でも制作を請け負う。
桜山郵便局隣に事業所を構える「植木経師店」の3代目。27歳の時、家業に入り、父と働きながら仕事を覚えた。年末やお盆。かつては時季ごとに仕事が舞い込み、休みを返上することもざらだった。だが、屏風やふすまのある日本家屋は少なくなり、近年は和室を設けない新築がほとんど。同業者も年々減り、今や仕事はピーク時の半分以下になった。
「時代の流れ。こればかりは仕方ない」と受け入れているが、受け継いできた伝統の技まで廃れていくのは忍びない。御朱印帳を通じて、「若い人にも仕事や店のことを知ってほしい」との思いを込める。
御朱印帳は2千円〜。和柄の定期入れ(1千円)やオリジナルのミニ屏風(1万円〜)なども扱っている。
問合せは同店【電話】046・871・3680
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