逗子・葉山版 掲載号:2018年11月2日号 エリアトップへ

ニホンミツバチと共に里山復活【3】 ミツバチなしでは生きられない? ポリネーションがもたらす実り

文化

掲載号:2018年11月2日号

  • LINE
  • hatena
後ろ足に黄色い花粉の塊をつけて帰巣したハチ巣門の金網はスズメバチ除けのもの
後ろ足に黄色い花粉の塊をつけて帰巣したハチ巣門の金網はスズメバチ除けのもの

 葉山町在住の金子昌司さんは長柄地区の谷戸でニホンミツバチの養蜂をしています。その目的は葉山の豊かな里山の復活。ハチミツだけでなく、ミツバチが人間にもたらしてくれるものとは。人間社会と環境の両面から探ります。

 ミツバチが人間にもたらすのはハチミツや蜜蝋だけではない。ポリネーション(=花粉媒介)によって、果実は実を結び、草木は種子を作ることができる。このポリネーションによって、人類は多大な恩恵を受けている。

 国連環境計画のアヒム・シュタイナー事務局長は2011年、「世界の食料9割を占める100種の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介している」と報告した。「もしミツバチたちがいなくなったら、私たちの食べ物が実らなくなる。一見すると蜜を集めているだけに見えますが、人類、ひいては生態系全体を支えているんです」と金子さんは語る。

消えるミツバチ

 そんなミツバチが近年、世界各地で突然姿を消している。CCD(蜂群崩壊症候群)と呼ばれる現象だ。「ネオニコチノイド系の農薬が主な原因と疑われており、ヨーロッパでは使用が禁止されている地域もある」という。三浦半島でも2007年頃から同様の現象が確認されており、13年には地域内に10件ある養蜂場のハチがほぼ全滅する事態が発生した。

 また、蜜源植物も減少の一途を辿っている。「養蜂をめぐる情勢」(農林水産省生産局畜産部、2016)によれば、2015年のみかんやれんげなどの植栽面積は1985年に比べて約3分の1に減少。里山の荒廃や、農村部の都市化だけでなく、地球温暖化による気温上昇が開花に影響を与えているという。

金子さんの夢

 こうしたなか、山梨県甲府市や新潟県阿賀野市などでは、水田だった耕作放棄地を種苗会社などと協力し、花畑に換えるプロジェクトが行われている。今ではハチミツを地域の名産品にするなど、街おこしにつなげている。

 金子さんの夢も葉山に「蜜源ガーデン」を作ることだ。今年の採蜜量はかつてないほど少なかった。異常気象や巨大台風などの直接的な影響だけでなく、そもそも町内に花が少ないことがうかがえる。

 金子さんは今後、養蜂教室や体験会を通じて、自然環境に興味を持つ人を増やしていきたい考え。「かつては葉山にも里山があり、豊かな生態系があったが、今ではそのほとんどが荒れ果てた森になりつつある。ミツバチとともに、豊かな自然を復活させたい」と意気込んでいる。

          (完)

逗子・葉山版のローカルニュース最新6

交流イベントに500人

逗子市

交流イベントに500人 スポーツ

スペイン選手にエール送る

8月23日号

”竜宮城フェス”盛大に

葉山町老人クラブ連合会

”竜宮城フェス”盛大に 社会

恒例行事の名称変更

8月23日号

フォトコンテスト初開催

逗子市

フォトコンテスト初開催 文化

入賞作品でカレンダー製作

8月23日号

減災への備え学ぶ

減災への備え学ぶ 教育

市民団体が写真展と講演会

8月23日号

「一夜だけの景色作ろう」

ビーチキャンドル

「一夜だけの景色作ろう」 教育

サポーター募集中

8月23日号

三浦大輔さん 未病番長に

三浦大輔さん 未病番長に 社会

神奈川県が任命

8月23日号

「助け合い」の活動支援

葉山町社協

「助け合い」の活動支援 文化

来年度分の助成受付中

8月23日号

あっとほーむデスク

  • 8月23日0:00更新

  • 8月9日0:00更新

  • 7月26日0:00更新

逗子・葉山版のあっとほーむデスク一覧へ

最近よく読まれている記事

コラム一覧へ

逗子・葉山版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2019年8月23日号

お問い合わせ

外部リンク