長柄・桜山古墳をまもる会(浜野八十一(やそかず)会長)がこのほど、古墳群発見と団体設立から20年を記念し冊子を発行した。神奈川県内最大級の規模を誇る同遺跡。浜野会長は「次世代へこの遺産を伝えていきたい」と意気込みを新たにしている。
2基からなる長柄桜山古墳群は1999年、葉桜在住の東家洋之助さんによって発見された。
4世紀代の前方後円墳で、どちらも全長約90mと神奈川県内最大級。三浦半島ではそれまで前方後円墳は存在しないとされていたことから、当時は大きな話題を呼んだ。
第1号墳は葉桜住宅の西端から25mの位置にある。丘陵の岩盤を削り、その上に1・5mの盛り土を施しており、田越川流域や逗子湾を一望できる位置にある。
第2号墳はそこから西へ500mほどの場所にあり、古墳の表面には砂岩や泥岩を用いた装飾が施されている。前方部から西側は相模湾を一望できる立地で、天気が良ければ大山や富士山も見ることができる。
2002年に国史跡指定を受け、発掘調査を実施。これをもとに整備基本計画が策定され、現在は第1号墳で墳丘や埴輪を保護する盛り土や植栽、階段の設置、園路の整備、説明板や案内板の設置が進められている。
市民が伝える
古墳群発見後、県の要請もあり、東家さんを中心に「パトロール隊」が結成された。これを母体に2000年2月、「まもる会」が発足。50人程度の会員数を保ちながら、前身から引き継いだパトロールやガイド、公開講座、各地の古墳見学、地元小中学校生向けの見学会などを実施。会員間で知識を深めあいながら、その歴史的・文化的価値を積極的に地域へ発信してきた。
昨年、発見から20周年を迎えたことを機に、会として公的な記録や個人的な記憶をまとめようと編集作業をスタート。10人の会員を中心に発見当時の経緯を様々な角度から振り返ったほか、大阪府立近つ飛鳥博物館の白石太一郎名誉館長ら専門家のコメントを収集。見学した小中学生の感想文や、会の歩みと考古学のニュースをまとめた年表も盛り込み、1年かけてA4版64ページにまとめ上げた。浜野会長は「改めて古墳群に関心を持ってもらい、この遺跡と会の活動を次世代へ継承できたら」と話している。
冊子は1部500円で頒布している。希望者は氏名、住所、電話番号、希望部数を明記し【FAX】046・873・5418または【メール】ya-hamano@jcom.home.ne.jpへ。
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