地域福祉において、顔を合わせたコミュニケーションはその根幹。直接会って話すことで心身の健康に繋がるだけでなく、社会的なつながりを保ち、いざという時のセーフティーネットとして機能するなどその役割は大きい。こうした”当たり前”のことができなくなった今、各自治体の社会福祉協議会は対応に苦慮している。
そんななか逗子市と葉山町の社会福祉協議会はコロナ禍におけるコミュニケーション手段を学んでもらおうと、先月21日と28日の2日間、学習会「離れていてもつながれる-ZOOMを活用して地域のつながりを考えよう」を開催。両日あわせて地域住民ら約40人が参加した。
地域×テクノロジー
28日、逗子福祉会館で行われた講座では、宇都宮短期大学の宮脇文恵教授が登壇。コロナ禍で行政職員や民生委員の訪問活動が自粛となるなか、東日本大震災の復興住宅で60代の男性が孤独死したニュースを題材に、繋がりを保ち続ける重要性を説明した。
また、病院や介護施設で家族と面会ができないために認知症の症状が進んだり、高齢者センターなどの公共施設が閉ざされたことで外出する機会が減り家にこもりがちになった例など、感染症対策が心身の健康に悪影響を与えた事例を紹介。そのうえで市社協や警察、消防、老人クラブなどと地域住民や新聞配達員、電気やガスの検針員、郵便配達員ら定期的に家を訪問する業者が協力して高齢者を見守る富山県黒部市社協の「くろべネット」の活動内容を披露した。
さらに、対面事業の開催が困難なコロナ禍における「顔が見える取り組み」として、ZOOMなどのウェブサービスを紹介。コミュニケーション方法の一つとして活用し、「離れていてもつながっている地域」を作る必要性を説いた。
実際に体験
講座の後半では、ITコンサルティングやサービスの企画開発を行う株式会社コスタルプランニングの松本健一郎代表取締役が同社のスタッフとともにZOOM体験会を実施。参加者は持参したスマホやパソコンを使い、オンラインミーティングに参加した。
参加した逗子市在住の男性(80)は「ZOOMを使ったのは初めて。わからないとすぐに教えてくれて比較的簡単にできた。今度、家族と使ってみたい」と話していた。
葉山町在住でボランティア活動の一環として高齢者向けのスマホやパソコンの使い方を教えるサロン「じょうほうカフェ」を主宰している松本さん。「ITの技術をもっと地域福祉に活用していけたら」と今後の意気込みを語った。
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