葉山町は、現在進めている4つの大型事業について、コロナ禍における税収の状況が明らかになる来年5〜6月まで延期すると表明した。厳しい見通しを示し、各事業の優先順位にも触れた山梨崇仁町長は「状況を見極めながら、議論を進めていきたい」とする。
先月30日に開かれた決算特別委員会における「コロナ禍における大規模事業の優先順位について」の中で、山梨町長が明らかにした。
葉山町は現在、公共下水道、クリーンセンター再整備、給食センターの建設、公共施設の再整備の4つの大型事業を抱えている。今後、コロナ禍における税収減が見込まれる中、巨額の財政支出が見込まれるこれらの事業の進ちょくが見通せなくなったとして、山梨町長は「異例の事態で断腸の思いだが、やむを得ない措置」と理解を求めた。来年5月から6月頃に明らかになる税収状況を確認したうえで、検討を進めていきたいとしている。
優先順位見極め
4つの事業のうち、公共下水事業と、クリーンセンター再整備については、「国や他の自治体との連携事業のため、交付金や自治体間の信頼に関わることでもあり可能な限り推進すべきと考えている」と言及。そのうえで、給食センター建設や公共施設再整備は町単独の事業であるため、庁内で慎重に検討できる事業との認識を示した。
また、いずれの事業も議会での議論を経ていることから、来年度も執行する方向で当初予算案に計上する考え。
しかし、「ふたを開けたときに財源の裏付けがなかったとわかった段階で、どの事業をどのように止めるのか、議会では議論させていただくことになると思う」との見通しを示し、たとえ単年度で予算に余裕があったとしても「3〜4年くらいの中長期の視点で、事業を完遂まで見込めるか」が判断の基準になると語った。
再来年に供用開始予定
給食センターの供用開始は2022年9月を予定していたが、その道筋に暗雲が立ち込めた。
全国9割の公立中学校が完全給食を実施しているなか、2015年に整備計画を発表した町教育委員会。用地確保などで紆余曲折があったが、公設公営方式で予定地は長柄小学校隣接地に決定。町立小中学校全6校の給食を調理し保温缶に詰め、専用のトラックで各校に配送する方式を採用した。1日最大2800食の調理能力を持ち、年間190日の稼働を見込んでおり、来年3月には建設工事が始まる予定だった。
また、老朽化が進む公共施設再整備については昨年、「みんなの公共施設未来プロジェクト」を庁内で発足させた。
議論を行うための「材料集め」を目的に建物の劣化状況の把握や修繕・更新費の算出などを行い、施設のあり方を含めた検討を進めている。対象は町立小中学校や町役場本庁舎、福祉文化会館、保健センター、元町会館・児童館など、14施設にのぼる。
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