逗子・葉山版 掲載号:2020年11月20日号 エリアトップへ

横須賀美術館で展示を行っている 天野 純治さん 葉山町在住 71歳

掲載号:2020年11月20日号

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まだ見ぬ表現追い求め

 ○…横須賀美術館で企画展「ミニマリズムのゆくえ」を行っている。これまで培ってきた表現手法や画材に関する膨大な知識を現代美術の系譜の中で捉え直し、独自の表現に挑み続ける姿勢から生み出された作品が、来場者の心を動かしている。「難解だと思われがちだが、自由に想像を膨らませてほしい」

 ○…鳥取県出身。多摩美術大学の油画科を卒業し、同大学院を修了。その後、サンフランシスコ近代美術館の第3回世界版画コンペティションで最優秀賞を受賞するなど、国内外で活躍。文化庁芸術家在外研修員としてアメリカに滞在した。帰国後も自身の作品を作り続けるかたわら、東京藝術大学、武蔵野美術大学などで非常勤講師を、2017年から今年3月までは母校で客員教授を務めるなど、後進の育成にも力を入れてきた。

 ○…一貫して版画の一種であるシルクスクリーンとペインティングにこだわってきた。大学1年の時、授業でエアブラシを使ったときの違和感が原点にあるという。「スプレーで色を重ねても、そこに作家の痕跡がないことに気がついた」。それ以来、具象でも抽象でもない「物質感のある絵画」が一つのテーマに。モノとしての絵画を表現するために一度描いた絵を切り、和紙の箱にはめ込んだり、絵の一部分を切り抜いて鉛を入れ込んだほか、透明な絵具に少量の色を混ぜ、数十回塗り重ねて水の質感を表現するなど、唯一無二の表現方法を確立している。

 ○…40年ほど前、実家のあった葉山に移り住んだ。虫が多く、「夜に制作するのはやめました」と笑いながら語るが、自然に囲まれた環境からインスピレーションを受けているという。「これからも葉山で作品を作り続けていきたい」と笑顔で語った。

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