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逗子・葉山版 公開:2021年2月5日 エリアトップへ

逗子の景観まちづくり瓦版 第三十五号

公開:2021年2月5日

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 初富士    小山 涼子

 初富士や相模の海は

 むらさきに

と詠んだのは、葉山で暮した堀口大學。今年の逗子からの初富士は、頂きの雪が桜色に神々しいばかりに輝いて見えた。良い1年であってほしいと願わずにはいられない。

 逗子からの富士が、優しくしっくりとくるのは、海だけ或いは岩のごつごつした感じとの組み合わせではなくて、緑の山や江の島とのハーモニーがあるからではないか。眼福とは正にこのような景色の為の言葉に思われる。

 ふいに遠い日の小学校の通学路が思い起こされる。世田谷の小学校の登校時には、いつも富士の勇姿がのぞめた。そう、突然、終の住処として逗子を選び、周りの皆を驚かせながら、あっという間に移り住んできたのには、心の深いところで繋がるものがあったのだと合点がいく。何しろ、伊勢湾台風時に雨戸を押さえていた両親の後ろ姿しか記憶は無いものの、出生地は富士の麓の静岡県でもあることだし。

 富士山の姿は、逗子湾の海の表情同様、刻一刻と多彩な姿を見せてくれ、見飽きることがない。冬の時期は、午前中と夕暮れ時に見られることが多い。山裾の丹沢や箱根の連山までもくっきりと見えることも、頂きの雪の部分だけのことも、横一列に天女の羽衣のように雲をまとっていることもある。黒富士と呼ばれる夕暮れ時にシルエットのように浮かび上がる姿も影絵のようだが、圧巻は、台風の前日に血の如く空一面が真っ赤だった中に、黒く浮かび上がった姿であった。

 朝起きて富士の姿を眺められると、その日一日良い日が過ごせそうに思えるのは私一人だけではあるまい。人生で初めて自分で住む土地を選んだここ逗子で、残りの年月を大切に暮していきたい。富士に見守られながら。

瓦版第35号平成27年

1月16日発行より転載

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