居場所がなく、孤独を感じていたり金銭的に困っている18歳から29歳までの女性の「衣食住」を確保し、より良い生活の足掛かりにしてもらおうと「ステップハウス」が来月、横須賀市内で稼働する。立ち上げたのは元養護教諭でカメラマンでもある葉山町在住の菊池操さん=人物風土記で紹介。制度のはざまで支援網から抜け落ちる若年層をサポートし、自分らしい人生を歩んでもらおうと準備を進めている。
ステップハウスはDV被害者らを保護するシェルターとは異なり、キャリアコンサルタントによる面談や料理教室などを行い、その後の社会生活を見据えた支援を行うのが特徴。「束の間の雨をしのぎ、元気を蓄えて社会へ飛び出してほしい」。そんな思いを込め、建物には「アマヤドリ」と名付けた。
設立のきっかけはコロナ禍で届いた教え子の悲痛な声だった。「連絡を取っていなかった子たちがわざわざSNSで私を見つけてメッセージをくれるようになった。いずれも20歳前後で、家族のことや収入減のことなど、切実なことばかりだった」。支援先や相談窓口に繋いだが、18歳以上の若者を支える制度や団体が少ないことを知った。
昨年の10月から準備を始め、12月には法人を設立。建物を探していた所、人の紹介で横須賀市内に見つけた。4LDKの一軒家で、1階は台所やリビング、和室の共有スペース。2階は3部屋あり、最大7人まで住むことができる。生活に必要な家具や家電は一通りそろっており、コメや缶詰、レトルト食品なども用意され、いつでも食べられる。いずれも寄付を募って集まったり、フードバンクから提供されたものだ。居住できるのは最長で2年とした。敷金礼金はなく、光熱費は月額1万円。家賃は最初の半年までは前月収入の25%。その後は収入に応じて3万8千円〜5万2千円。すでに1人の入居が決まっている。
現在は自己資金や寄付で運営を賄っており、安定的な活動のための収入源確保や的確な情報発信が今後の課題だ。しかし、予想をはるかに上回る寄付や協力の申し出に希望も感じている。「何かしたいと思っている方はたくさんいる。地域で若者を支えられる場になれたら」と菊池さんは話している。詳細はホームページ【URL】https://www.amayadori-official.net/
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