逗子警察署(田渕元司署長)は1月14日、知人宅において市役所職員をかたった詐欺事件を未然に防止したとして、逗子市在住の熊谷奈津江さんに感謝状を贈呈した。
熊谷さんは昨年12月25日、生徒として通う市内の鎌倉彫教室で、彫刻刀を研いでいたとところ、講師の女性(70代)が電話をとった。受話器を片手に慌てた様子で書類を探していた姿を不審に思った熊谷さん。女性に電話を替わるよう促し、代わりに話を聞いた。
相手は実在しない逗子市役所「保健課」の職員と名乗り、昨年8月に医療費や薬代が戻る申請書を送ったと説明。ただ、今年度中に手続きするように言いながら、年内に終えるよう急かしたり、完了した人は「新型コロナワクチンの3回目を優先的に接種できる」などと話したことから、詐欺だとの疑いを強めた。最終的には口座番号やカード番号を執拗に求められたため通話を終了し、帰宅後に警察に通報したという。
熊谷さんは「先生は『市役所からの電話で、私の名前を言っていたから』と信じ切っていたが、被害に遭わず良かった。以前、親戚が詐欺に騙されたことがあったので、気をつけていた。近所のひとり暮らしのお年寄りや知り合いに気をつけるよう伝えたい」と話していた。
田渕署長によると管内でワクチンの優先接種をかたった事例は初めてという。「署員も見習うべき、冷静な対応と観察眼で詐欺を未然に防止した」とその行動をたたえ、「詐欺グループは今回、あえて還付金という言葉を使わずに、ワクチン優先接種という言葉を使うなど、相手は手を変え品を変え人の弱みに付け込んでくる。これからも注意喚起を徹底していくとともに、市民の方々も不審に思ったら警察までご相談いただけたら」と話していた。
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