鎌倉税務署長に就任した
松田敬一さん
横浜市在住　60歳

大切なのは「温厚さ」

　○…「源義経が平氏を滅ぼして、鎌倉幕府が成立したように、私も山口から鎌倉へ」。７月に鎌倉税務署長に就任。異動前は光税務署長（山口県）を務め、今回の就任を大河ドラマに例えた。国税職員となり42年目で、入庁直後は大船寮で過ごした。定年退職まで残り１年となり、「鎌倉の地で始まり終わりを迎えられることはとても感慨深い。感謝の気持ちで仕事に臨みたい」と意気込みを語る。

　○…職員生活の半分は税務調査に携わり、納税者の不正や税逃れの是正に関わってきた。「正しく申告している人と差が生じないように」と資料収集や調査に力を注ぎ、納得してもらえるように論理的な説明を続けてきた。根気や体力を要しながらも、「人間的な基礎が形成され成長できた」と振り返る。

　○…趣味は写真撮影。子どもが生まれたことがきっかけで始め、節目の行事や日常の様子を収めてきた。特に息子２人が野球をする姿は、「子どもの頑張りや成長を感じることができる至福の時」と、仕事の疲れも吹き飛んだ。孫が誕生した時は、息子たちに一眼レフをプレゼントし、「孫を撮影する出番はないかな」。最近は御朱印集めにもはまり、「鶴岡八幡宮にはごあいさつをしてきた。今は暑いので涼しくなったら寺院や仏閣を巡りたい」と語る。写真と御朱印巡りを通じて、鎌倉の歴史や文化を学び、地域事情を知るきっかけをつかむ。

　○…若い時は気が短かったと話すも、明るく温厚な性格で、「下からの意見を吸い上げられるように」と、協調性を大切にしてきた。座右の銘は「和顔愛語」。和やかな笑顔と思いやりのある話し方を意識する。国税職員として集大成の１年。持ち前の笑顔と穏やかさで地域に貢献する。