神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
逗子・葉山版 公開:2018年7月6日 エリアトップへ

逗子にあった「味の素」編 ちょっと昔の逗子〈第5回〉 ピンチをチャンスに

公開:2018年7月6日

  • LINE
  • hatena

 児童文学作家・野村昇司さんにご協力いただき、明治から昭和にかけての街の様子や市井の人々の生活を史実に基づいて蘇らせます。第一弾は「逗子にあった『味の素』編」。語り継ぎたい、逗子の創作民話です。

 フル回転していた逗子工場は日露戦争の終結によって一変する。新設から5カ月目のことだった。ブームは一転、硝石の需要は激減し、全国各地の工場は閉鎖に追い込まれた。鈴木家の逗子工場もヨードやアルコールの製造は続けたものの、硝石の製造は休止せざるを得なかった。

 さらにヨード製造に命を懸け、発展させてきたナカがその1カ月後に亡くなる。鈴木家は大きなピンチを迎えたのだった。

 ちょうどそのころ、東京帝国大学理学部化学科教授で日本の十大発明家の1人にも数えられる池田菊苗が1908(明治41)年、昆布のだしの味の正体を明らかにし、グルタミン酸を取り出すことに成功。グルタミン酸を主成分とする調味料の製造法の特許も取得する。古来からの味覚「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」に「うま味」が加わった瞬間だった。

 二代目三郎助は、池田が発見したうま味成分の抽出方法とカジメからヨードを取り出したことに関係があるのではと、誰よりも早く池田の研究室を訪ねる。

 この二つに関係性はなかったものの、これが契機となり事業化の話しがまとまる。当時、池田はこの特許の事業化を考えていたが、戦争後の不況で手を挙げる企業はどこもいなかった。そこで、最初に研究室を訪れた二代目三郎助に依頼。鈴木家はまたしても大きな転機を迎える。  野村昇司
 

逗子・葉山版のコラム最新6

人生100年時代今から始める終活のススメ

「健康寿命は姿勢改善で延ばす」 vol.21

人生100年時代今から始める終活のススメ

4月12日

星座にまつわるエトセトラ

星座にまつわるエトセトラ

「宇宙の覗き窓」

4月12日

星座にまつわるエトセトラ

星座にまつわるエトセトラ

「ポン・ブルックス彗星」

3月29日

人生100年時代今から始める終活のススメ

「空き家法改正」 vol.20

人生100年時代今から始める終活のススメ

3月15日

星座にまつわるエトセトラ

星座にまつわるエトセトラ

「星と光」

3月15日

星座にまつわるエトセトラ

星座にまつわるエトセトラ

「水星を探して」

3月1日

あっとほーむデスク

  • 4月12日0:00更新

  • 3月29日0:00更新

  • 3月15日0:00更新

逗子・葉山版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

逗子・葉山版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月19日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook