湘南石鹸の代表を務める 川村 耕士さん 藤沢市在住 54歳
信念の石けん作り続ける
○…先月開かれたコミュニティパークやマルシェなど、市内の様々なイベントに出店している。防腐剤や香料といった添加物は一切入れず、逗子・小坪沖の海水を昔ながらの窯で炊き上げた海塩や葉山の源泉を使うなど、湘南産の素材を厳選。日本で生産される石けんの1割ほどしかないコールドプロセス製法を採用し、原料の持つ効果を最大限引き出す丁寧な仕事が人気の理由だ。
○…もともと学生時代はデザインを学び、大手化粧品会社にデザイナーとして就職。広告の制作などを担当していた。事業が拡大するなかで、営業に転身。コンビニエンスストアなど取引先の開拓や店舗での販売支援を行った。「特殊な経歴ですが、もともと独立志向があったので、セールスや流通を学べたことは貴重な経験になりました」と振り返る。
○…その後、オーガニックコスメなどの化粧品会社に転職して経験を積むなか、もともと肌が弱かったこともあり、自分で石けんを試作。思った以上に肌に合い、友人に配ったところ好評で手ごたえをつかんだ。化粧品に関する様々な知識も得て、45歳で独立。数年間は副業しながらのスタートだったため、1日の睡眠時間が2〜3時間ということもあったという。現在も原材料の仕入れから製造、販売まですべて1人でこなしている。その原動力を聞くと「信念です」ときっぱり。「自分が本当に良いと思ったものを消費者に届ける。そのプロセスやお客さんの反応が嬉しくてたまりません」と笑顔で語る。
○…カフェのように人が集まる工場作りや、福祉施設の入所者との共同製作、学校給食で出た食用油の廃油を使った石けん作りなど、夢が尽きることはない。これからも、まっすぐ石けん作りに向き合っていく。
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