2010年の救急件数は統計を取り始めた1954(昭和29)年以降、過去最多に─。藤沢市消防本部がこのほど「平成22年火災と救急の状況」を発表した。記録的な猛暑となった昨夏、熱中症による救急搬送数の大幅増などが一因とみられるという。
藤沢市消防本部によると、2010年(1月から12月)の救急出場件数は前年より1909件増の1万9924件。05年の1万9400件を上回り、過去最多の件数となった。
事故種別では、急病が1383件増の1万2503件で全体の約63%を占めた。一般負傷が2802件、交通事故が1972件と続いた。
昨年は熱中症による救急搬送人員が139人と前年の42人から3倍強増えた。熱中症で搬送された期間は昨年6月7日から9月21日。最も暑かった8月17日(横浜地方気象台・辻堂観測所の最高気温36・7度)には8人が搬送された。
年齢別では、18歳以上40歳未満が48人、40歳以上65歳未満が34人、75歳以上が31人と上位を占め、重症が3人、中等症が61人、軽症が75人だった。
救急出場件数の月別では8月が最も多く1884件、12月が1857件、少なかったのは2月の1402件、次いで3月の1513件だった。市内の1日あたりの平均出場件数は約55件で、約26分に1回の割合で救急車が出場、市民の約20人に1人が利用したことになる。
救急車の適正利用については、市の広報などで呼びかけた結果、軽症者の割合は47・5%と減少傾向にある一方で、症状が重くなってから救急車を利用する人が増えているという。
消防本部は「日ごろから体調管理を行い、病気を未然に防ぐことによって不慮の急病を防ぐことにつながる。軽い症状を放置せずに、早めに医療機関を受診してほしい」としている。
火災は微増
また、昨年の火災の件数は113件で前年に比べて4件増加した。火災の種別では建物火災が64件(前年比10件増)、その他の火災(空地、田畑、道路上の物品などの火災)は29件(同9件減)、車両火災は20件(同3件増)だった。人口1万人あたりの火災件数は2・8件だった。
火災による死者は3人で1人増加。負傷者は22人で6人増加した。火災による損害額は約1億3000万円(一部調査中)で、前年の2倍以上となっている。全焼建物棟数が6棟と前年より4棟多く、建物焼損床面積が約3倍になっていることが理由とみられる。
出火原因別では放火(疑いを含む)が最も多い28件、次にこんろの26件、たばこの8件で、放火は92(平成4)年以降、火災原因の1位となっている。
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