辻堂在住でいすゞ自動車(株)に勤める金田祐(ゆう)さん(34)が6月21日、第55次南極地域観測隊の一員に決まった。金田さんは24人の「越冬隊」のひとりとして、南極地域観測隊に初めて参加する。担当は機械部門で、主に南極昭和基地にあるトラックや雪上車などの維持、管理に携わる。
金田さんは普段、いすゞ自動車(株)のエンジニアとして勤務。2012年同社に、観測隊を組織する国立極地研究所(東京都)から技術職隊員の出向の要請があり、志願者の中から技能などの選考に合格して選ばれた。金田さんは「日本の代表、会社の代表として選ばれたのは名誉なこと」と喜びを語った。
7月1日から同研究所の所属として、自動車整備以外の知識と技術を身に付けるための訓練に励む金田さん。限られた人員で広範囲の機械を管理するため、他社のエンジンや発電機、雪上車の取り扱いなどを学んでいる。また南極基地での事故や災害などに隊員全員が対応できるよう、消火活動や救急救命法の研修も必須項目だ。
同観測隊は「越冬隊」「夏隊」合わせて計63人。13年11月に出発し、オーストラリアから南極観測船「新しらせ」で約1カ月かけて昭和基地を目指す。到着後、第54次観測隊とともに補給や設営などに従事。14年2月には、大半の隊員たちは帰国するが、第55次越冬隊だけは昭和基地に残り、15年2月の交代時期まで、昭和基地でオーロラなどの気象調査や施設の維持管理などを行うという。
南極では、運転中の自動車に不具合があった場合、隊員の健康や生命に危険がおよぶ可能性が高い。金田さんは「機械を預かる責任は大きいので、立派に仕事を果たしたい。南極は憧れでもあったので、貴重な経験を楽しみたい」と話した。
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