日本の神様の中で最高神の地位を占める天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る「伊勢神宮」で、10月13日(日)から11月3日(日)まで20年に一度の「第62回神宮式年遷宮(せんぐう)奉祝行事奉納」が行われる。藤沢湯立神楽保存会(会長・関根正統皇大神宮宮司)は10月16日(水)、神奈川県代表として、藤沢市重要無形民俗文化財に指定されている「湯立神楽」を奉納する。
県内から3団体が奉納
式年遷宮は、神社の正殿を造営・修理する際や、正殿を新たに建てた場合に御神体を遷すことで、伊勢神宮では20年に一度行われている。第1回の式年遷宮が内宮で行われたのは690年のことで、以来1300年に渡って続けられている。
伊勢神宮が奉納団体を募集したのは今回が初めてで、全国150の団体を選定。神奈川県からは同保存会を含む3団体が選ばれた。2012年8月に募集があり、同保存会は13年5月に受入れ決定の通知を受けたという。
関根会長は「このような機会は滅多にないことなので、大変名誉なこと。湯立神楽の奉納は初めてだが責任あることなので、心を込めて奉仕したい」と意気込みを話す。
神職の奉奏が特徴
同保存会の湯立神楽は、約800年前に京都の石清水八幡宮より鎌倉の鶴岡八幡宮に伝わったもの。例祭などで行われている神楽で、湯立てを伴う。現在は藤沢・鎌倉・葉山・横須賀方面で奉仕され、藤沢市内では皇大神宮と白旗神社などで拝観できる。
藤沢の湯立神楽は12座の演目で構成され、神職によって奉奏されるのが特徴。奉仕する神職は、「国家安泰」「五穀豊穣」「無病息災」を祈る。1996(平成8)年に市の重要無形民俗文化財に指定され、藤沢湯立神楽保存会により、継承されている。
準備整え遷宮の祝い
同保存会は14人のメンバーで構成され、現在は奉納へ向け準備研修を重ねているという。
準備や片付けの時間を考えると、奉納に使用できる時間は30分程度。本来なら70分かけて奉納するところを、時間を短縮して行わなければならない。時間のかかる準備は、紫、赤、黄、緑、白の五色の威儀物を下げ、竹の心棒から四方に縄で結ぶ作業を、いかに手際よく行うかが重要という。
同保存会は、10月16日(水)の午前9時から内宮神苑特設舞台で奉祝の奉納を行う。内宮に鎮まる天照大御神は、日本で最も貴く、国家の最高神とされている。湯立神楽の奉納は、舞妓1人、笛1人、締め太鼓2人、大胴1人、釜番1人の計6人で行われる。
関根会長は「保存会の会員の力を借りながら、準備万全に整え、20年に一度の遷宮をお祝いしたい」と話している。
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