「大工の道」極め表彰 大鋸在住 小嶋勇さん(72)
大鋸で工務店を営む大工の小嶋勇さん(72)が11月5日、県民ホールで開催された県技能者等表彰式で「卓越技能者」として県から表彰された。「神奈川の名工」と称される卓越技能者には県の第一人者と目される職人28人が選ばれた。
小嶋さんは電動工具が主流の中、ノコギリやノミ、カンナなど昔ながらの工具を使い、電動工具以上の速さで施工する技術をもつ。また、職業訓練校で技能検定委員を務め、後継者育成に尽力していることが評価され、表彰された。藤沢市の大工が選ばれるのは、15年振りの快挙となる。
小嶋さんは15歳で弟子入りし、独り立ちした18歳で兄の自宅をひとりで建築するなど、この道一筋57年。近年は古民家や蔵を移築し、再生する難しい工事も手掛けている。「大工の仕事は、木が言うことを聞かない時もじっくりと向き合う根気強さが必要。だから、コツコツやってきたことが評価され、嬉しいとともに光栄」と喜びを語る。
名道具に名工あり
カンナやノミの刃物を研げるようになるには、最低5年はかかると言われ、「道具を自分のものにできてこそ一人前。道具を見れば、その人の技量が分かる」という。小嶋さんの道具はきれいに研がれ、当初の半分以下の短さになるまで使い込まれている。「今までと変わることなく体力が続く限り頑張りたい」。大切な道具を前に笑顔で語った。
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