東海道シンポジウム藤沢宿大会実行委員会の委員長を務める 広瀬 宣昭さん 藤沢在住 71歳
先祖から受け継ぐ藤沢愛
○…今秋に開かれる東海道シンポジウム藤沢宿大会の実行委員長を務める。明日8日、実行委員会が初めて主催するプレイベント「宿場deシネマ」を開催する。シンポジウムは1988年、現在の滋賀県甲賀市の土山宿から始まり、毎年東海道五十三次の宿場町で開かれている催し。「かつては宿場町として栄えた藤沢。この機会にその歴史や文化を多くの人に知ってほしい」。藤沢での開催に向けてプレイベントで認知度を上げ本番を盛り上げる。
○…藤沢地区郷土づくり推進会議の議長、東中町町内会の会長、西部地区自治会連合会の副会長など、地域の中心的な役割に就いている。でしゃばらず肩の力を抜いた物腰が印象的。「他の人がやりやすいように」と配慮を忘れない人柄で、人望も厚い。自身は「実行委員長もなんとなく引き受けちゃって。周りに助けられています」と謙虚だが、「町を少しずつでも良くしていきたい」と秘めた想いは熱い。
○…広瀬家は藤沢で400年続く家系。初代・広瀬藤右衛門は、藤沢が宿場町として栄え始めたときに移り住んだといわれる。その後、広瀬家は名主(村長)として行政の長を務めるなど地域に貢献し、古文書にも名を残している。中には、隣村の飢餓を救い、その後、髪の毛と爪を神社に祀られている人もいるのだとか。「心のどこかに、そうした先祖たちの思いを受け継ごうという気持ちはあるかな」と微笑む。
○…高校野球の地方大会を見に行くのが好きだそうだ。自身の母校を応援するわけではなく、甲子園出場が難しい高校の1回戦や2回戦を観戦する。「エラーもするし三振も多い、それでも一生懸命頑張っている姿がいい」。イベント本番に向けては「先祖たちが生きた古き良き時代と今を、どういう風につなげ発展させるか。みんなで一生懸命頑張りたい」と抱負を語った。高校球児のようなひたむきさで町を盛り上げる。