藤沢市(鈴木恒夫市長)は2月10日、2014年度当初予算の概要を発表した。4月からスタートする「市政運営の総合指針2016(ニイマルイチロク)」は、「松風に人の和うるわし湘南の元気都市」を都市像とし、5つの重点項目を設置。過去最大の予算額となる2521億1331万8000円(前年度比108・1%)を計上する積極型予算となった。
14年度予算概要の一般会計は、1312億8700万円で前年度比の108・6%となり、過去10年で最大の伸び率となった。積極型予算の背景には、法人市民税約28億円、個人市民税約9億円の増加などが見込まれることや、リーマンショック以降冷え込んでいた市内企業の収益回復があるという。その他、湘南C―Xエリアの発展や、同エリアへの企業誘致なども要因に挙げられる。
特別会計は1208億2631万8000円(前年度比107・6%)で、一般会計と合わせると2521億1331万8000円(同108・1%)となり、過去最大の予算規模となった。
「魅力・活力・創造力」がテーマ
重点項目には「安全・安心」「産業・経済」「歴史・文化」「子ども・子育て」「健康・生きがい」の5つを挙げている。
「産業・経済」の分野では、藤沢駅周辺地区の再整備のため、北口デッキの全面改修、エスカレーターの設置に向けた構造調査・設計などに7124万5000円を計上。14年4月から基礎調査が始まり、15年以降の着工を予定している。
「歴史・文化」の重点項目は、遊行寺橋の改修、(仮称)藤沢宿場館(交流館)の新設、藤沢駅や藤沢本町駅からの案内誘導サインの設置などに6900万9000円を計上。藤沢宿場館は、遊行寺近くの労働基準監督署跡地に、トイレや休憩所などを設置する計画という。14年度に調査や設計を行い、15年度中の完成を目指す。その他、辻堂駅北口に位置するココテラス湘南の6階と7階に、(仮称)藤澤浮世絵館と(仮称)アートスペース湘南を整備。費用として4550万5000円を計上している。市の貴重な文化的財産である浮世絵を展示する藤澤浮世絵館には、市が所蔵する葛飾北斎の浮世絵や、江の島を題材にしたものを公開。15年度中の開設を予定している。若手芸術家の活動支援や、新たな文化の発信拠点となるアートスペース湘南は、芸術家を身近に感じてもらえるように、ギャラリー同様の感覚で創作スペースも設置する。
「子ども・子育て」の分野では、「子ども・子育て支援新制度」において、保育の必要性の認定などを行うシステムの構築や、保護者に対する保育サービスの情報提供・相談などを行う保育コンシェルジュを配置。市では、14年5月から保育課に3人配置するという。また待機児童解消については、「藤沢市緊急保育対策2カ年計画(13・14年度)」に基づき、15年度までに約820人の定員拡大を図るため、鵠沼(80人)・藤沢(80人)・明治(88人)・湘南台(72人)地区に認可保育所を整備していく(15年4月開所)。費用は7億6104万4000円を計上。市の待機児童数は13年10月現在426人で、4地区に認可保育所を整備することで320人の解消を見込む。
「健康・生きがい」の項目では、辻堂のロボケアセンターで行われる体力向上と身体機能維持のための自立動作支援装具、ロボットスーツを着用した障がい者への訓練に要する費用の一部助成を実施する。計上費用は1050万円。これは県内初、全国で2番目の試みとなる。
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