「横浜ビジネスグランプリ2014」で学生部門の優秀賞を受賞した 興野 悠太郎さん 辻堂神台在住 27歳
思いをシャボン玉に乗せ
○…国内最大級のビジネスプランコンテスト「横浜ビジネスグランプリ」。2月22日に行われた最終選考で、シャボン玉を用いたフレグランスマッピング装置「FRAGWRAP(フレグラップ)」を提案、全国から寄せられた127件の応募の中で、学生部門の頂点に立った。その評価だけでなく、知名度が上がることを「嬉しい」と喜ぶ。
○…2年前、友人と巨大なシャボン玉を作った時、「テンションが上がった」。老若男女誰もが楽しめるシャボン玉に、コンピューター技術を絡められないかと考えたことが発想のきっかけ。浮遊するシャボン玉に映像を投影、香水などを煙化して込める。大学院の研究室で周囲が黙々とコンピューターネットワークを研究する中、一人シャボン玉と向き合い、装置を完成させた。大型なものはクラブイベントや香水ブランドのPR、テーマパークで、小型なものは家庭用の雑貨としてビジネス化を見込む。昨年学会で発表すると、海外の名だたる企業やメディアから注目を集め、国際特許も取得した。「自分が作ったもので人に感動を与えたい」と言葉に力をこめる。
○…幼少のころ、祖父が度々くれた古時計が自身の原点。周囲が「分解魔」と称したほど、その分解に熱中した。小学2年生から8年間は電子工作コンテストに応募し、毎年入賞。早々に頭角を現した。今でも「考えながら実験や半田付けをするのが一番楽しい。1日が24時間じゃ足りない」と話す。自然な流れでモノづくりの道を歩んでいる。
○…「社会実装」を今後のテーマに掲げる。「今までは自己満足の世界。これからはフィードバックをもらいながら、試行錯誤を重ねて人々をハッピーにしたい」。すでに関わっている2社に加え、今年中には「FRAGWRAP」を核に新たな会社を興す。「勢いがあり、社会的に意味のある異次元の会社を、日本発で作りたい」。思いをシャボン玉に乗せ、世界中を驚かせる。