「第７回ふじさわ市民ミュージカル」の実行委員長を務める 田畑 逸夫さん 本町在住 65歳
「歌と笑顔」届ける料理人
○…「長いこと音楽をやっているという噂がひとり歩きしたみたいで」。３年振りとなる「ふじさわ市民ミュージカル」の実行委員長として白羽の矢が立った。４月からの稽古も夏休みを機に佳境に入るが、「子どもたちの一生懸命さや素直さが伝わってきて本番が楽しみ。作り込まず、ごく自然のままに成長して本番を迎えてほしい」。ミュージカルの成功を縁の下で支える。
○…約30年間、藤沢駅北口の銀座通りで中国料理「鹿鳴春」のオーナーシェフとして腕を振るってきた。駆け出しの頃、中国人が作った本場の味に衝撃を受けた。「世の中にこんなに美味しいものがあるのかって、天にも昇るような気分だった」。その後、著名な中国人シェフに師事し、徹底的に腕を磨いてきた。「『安くて美味い』が中国料理の基本。食材の無駄を許さず、安い食材も調理技術でカバーすれば高級食材にも匹敵する」。熱く語る表情に、料理人魂が垣間見える。
○…静岡・伊東市生まれ。
10歳で川崎に移り住み、高校時代はブラスバンドに熱を上げた。歌って踊ることが大好きで、現在も同級生とバンドを結成し、ボーカルとしてライブ活動に励む。最近は老人ホームを訪問し、幅広いジャンルの歌を披露している。「曲を練りながら完成させて、お客さんが喜んでくれるのが何よりも嬉しい。中華鍋よりもマイクを持つ時間の方が長いかも」と屈託なく笑う。
○…長いこと藤沢銀座土曜会の役員として商店街を盛り上げてきた。名物といえば、「世界一大きい金魚すくい」だが、実はギネス認定の言い出しっぺ。「英国に滞在したことがあったから、申請するしかないと思った」。４年前に膀胱がんを患って少し痩せたが、ふっくらしていた頃は「グッチ裕三」似で、「歌って踊れる料理人・グッチ田畑です」とおどけては周囲を沸かせる人気者だ。「人の笑顔を見ることが無上の喜び」。これからも笑みを絶やさず、周囲に笑顔を届けていく。
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