グレートカンパニー大賞に輝いた「社会福祉法人伸こう福祉会」の理事長を務める 足立 聖子さん 44歳
感謝の気持ちで導く
○…一般財団法人船井財団が主催し、独特のビジネスモデルで持続的成長を続ける会社に贈られる「グレートカンパニー大賞」。6千社を超える企業の中から、社会福祉法人として初受賞を果たした。藤沢市をはじめ県内を中心に特別養護老人ホーム、グループホーム等の介護施設と保育所を展開。業界のモデルとなるような積極的な企業とのコラボレーションや海外展開、外国人や障害者の職員登用など、革新的な活動が高く評価された。「驚きとありがたさを感じている。社員や利用者の方々、多くの関係者に感謝したい」と喜びを語る。
○…「前例や常識にとらわれず。まずはやってみよう」。何ごとにも挑戦する社風だ。その精神を象徴するのが、2012年に社員を中心に演じられた本格的なミュージカル。「介護や保育の仕事は縁の下の力持ち。社員が、やったらやった分の拍手がもらえることを実現しよう」と企画した。スタッフが新しいことに挑戦することで、グループの団結力が高まったという。
○…創業者の片山ます江氏を母に持ち、小中学生のころは夏休みに老人ホームの手伝いをしていた。30歳を前に勤めていた会社を辞め、母の事業をもう一度手伝うことに。特別養護老人ホームなどの施設長を務めて5年前に理事長に就任。仕事の魅力は「いろいろな人の人生を覗き見られるところ。お年寄りも子どもでも、人生に関われることは興味深い」と笑顔を見せる。
○…「どちらかというと目立たない、おとなしい子どもだった」という。15歳でアメリカへ留学、大学卒業まで過ごした。その経験は、自身を成長させ、人と深く関わる仕事にも活きているという。趣味は、芝居や映画の観賞。歌舞伎が好きで先代の中村勘三郎のファンだとか。新しい試みに挑戦し続けた中村氏のように、同社も「地域に還元」をキーワードに新たな事業に挑戦していく。その手腕に期待がかかる。