12月1日から藤沢市で実証実験を行うEVバイクを開発した(株)E・ミニモ代表取締役の 西尾 達二さん 辻堂在住 55歳
「熱意と意地」を力に変えて
○…環境負荷が少ない半面、パワーや持続力に課題の残るEV(電動)バイク。その業務レベルでの実用化を目指し、市や鉄道会社などに製品を無償貸与して実証実験を行っている。「実際の現場で、ガソリン車と比べてそん色のない性能を実現したい」と話し、来年中の量産や一般販売を見込む。目指すは、郵便事業やデリバリー業務への導入の国内第1号だ。
○…「国内の埋もれた技術を集めて、優れた電動バイクをつくろう」。そう思い立ち、電池やモーター関係の中小企業などを回って開発企画を立ち上げた。描いたプランは2010年に「湘南ビジネスコンテスト」で大賞を受賞するなど、各所で高い評価を受けている。「当初は資本金も無く、周囲に『どうせ無理だろう』と言われたこともあった。しかし熱意と努力と行動力があれば、やってできないことはない」と笑い飛ばす。
○…熱意の底にあるのは、ひとつの意地。バイクの修理会社を営んでいたころ、大手企業と下請けとの温度差や、製品化されることなく埋もれていく中小企業の高度な独自技術を目の当たりにしてきた。「技術は、製品となって初めて陽が当たるもの。ならば中小の力を結集して、意地でも大手にできない凄いものをつくってやろうと思った」と口調を強める。
○…辻堂生まれで、八松小から明治中へ。デザインの専門学校を経て、当初はデザイナーとして就職した。日々の仕事を通して、製品全体をプロデュースする面白味を知り、縁のあったバイク業界へ。「EVバイクは、環境負荷が低く公共性が高い。特に自然と都市のバランスの良い藤沢には、ふさわしい乗り物だと思う」と地元愛ものぞかせる。ゆっくりと過ごせる日の少ない多忙な日々だが、「事業は自分がやりたくてやっているのだから当然。年齢を重ね、最近は自分の仕事を世のために生かしたいと思うようにもなってきたかな」と柔らかな表情で結んだ。
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