12月4日に県優良組合表彰を受けた藤沢石材協同組合の理事長を務める 秋元壽男(としお)さん 片瀬在住 56歳
「一発勝負」の世界楽しむ
○…大庭台墓園に設置される墓石の受注窓口となり、組合員に業務を分配する藤沢石材協同組合。約40年の歴史を持つ同組合の理事長として、加盟12社を束ねている。県優良組合表彰では、安定した黒字経営と組合員への利益還元を特に評価されて受賞。「全員の仕事がうまくいくように、件数ではなく実際の利益を考えた分配が大切」と、公平性を重視した運営は組合員からの信頼も厚い。「何よりも、市民の役に立つ組合でありたい。でなければ、存在している価値がないとも思う」と責任感も人一倍だ。
○…本業は片瀬にある老舗石材店の店主。墓石をはじめ、社寺の土台やビルの内外装も手掛けているが、営業活動よりも現場で作業している時間の方が長いという職人気質だ。「石を彫る仕事は、全てが一発勝負。何十万円する石材でも欠けたらそれまでだし、金づちで指を潰しても終わり」という緊張感を常に持ち、「だからこそ、上手くいった時には他に代えがたい喜びがある」と楽しそうに笑う。
○…片瀬で生まれ育ち、片瀬小、片瀬中の出身。「どこかに石材業の学部があれば良かったけれど、なかったから大学では造園を学んだ」と話すように、早いうちから代々続く家業を継ぐことを意識していたという。「自分がしっかりしなきゃ、そんな気持ちが自然にあったからかな。それに作ったものを喜んでもらえるのは、やっぱり嬉しいからね」と自然体。立場のある現在もひとりの職人として石と向かい合っているのは、もの作りを通じた人とのふれ合いのためかもしれない。
○…30年以上に渡って纏(まとい)の会「龍ノ口片瀬睦」で活動し、現在は会長を務めるほどのお祭り好き。龍口寺の行事には毎回参加し、仕事だけでなく趣味でも積極的に地域とかかわっている日々だ。「昔から藤沢で大きなお祭りといったら、遊行寺かここ龍口寺だよ」と、公私ともに気負わず自然体で楽しむ職人は、地元愛に顔をほころばせた。
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