藤沢市小規模多機能事業所連絡会の副代表として1月16、17日の全国大会を取りまとめる 菅原 健介さん 鵠沼橘在勤 35歳
つなぐケアで地域の絆を
○…住み慣れた街で、顔馴染みのスタッフによる訪問・通所・宿泊などのサービスを提供する「小規模多機能型居宅介護」。その全国ネットワークの総会を藤沢で開催すべく、2年前から地盤を固めてきた。「良い事例があっても、認知度が低くて広まらないのが現状。もっと魅力や可能性を知ってほしい」―。その一心で同じ志の仲間と切磋琢磨し、開催した市民向けセミナーは80回にも及ぶ。「最初の参加者はたったの2人。でも、ボトムアップを図ろうと諦めずに続けてきた」
○…「介護もその人に合わせて多様性を」。理学療法士として藤沢駅前のマンションの一室に開設した小規模多機能『絆』では、料理やプールなど個々に合わせたオーダーメイドのリハビリを組み込む。「家族や友人、近所が手を携え、元々の生活につなぎ直すことが、結果、自立支援になる。これからは街レベルで支え合うことが大切」と熱く語る。
○…鎌倉市出身。両親は共働きで、「幼少期はサザエさん一家が憧れだった」と本音をポロリ。中学・高校は福祉の街・デンマークの日本人学校へ、学生時代はアフリカを旅するなど、福祉の「礎」になる経験を積んできた。東日本大震災時には母親率いる訪問看護師らと8カ月間支援に奔走し、「地域力が防災力になる。どうしたら地域の絆を強められるか」と模索した。
〇…亀井野で小規模多機能を実践する加藤忠相さんとの出会いが転機に。「『介護する、される』の関係ではなく、お年寄りの周りに子どもや地域住民がごく自然に集まって一緒に過ごす姿を見た瞬間、『これしかない』って」。現在は人と人、衣食住、商業、自然との共生を軸とした「村づくり」を企て中だ。「互いに支え合い、最期までその人らしく楽しく過ごせる場をつくりたい」。少年のように瞳を輝かせて夢を語る表情からは人間愛があふれている。北欧やサザエさんの世界を体現、いや、それを超えるコミュニティを愚直にめざす。
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