神奈川県社会保険労務士会藤沢支部の第20代支部長に就任した 廣江 基一さん 城南在住 50歳
誰もが働きやすい社会に
○…藤沢、茅ヶ崎、鎌倉、寒川の3市1町、約250人の会員が所属する「神奈川県社会保険労務士会藤沢支部」。6年間副支部長を務めた後、20代目の支部長に就任した。「40年の歴史ある支部。プレッシャーも感じるが、社労士の質の向上や活動の場を広げるため、外部と連携を取りながら精力的に活動していかなくては」と襟を正す。
○…「企業の健全性を保ち、良好な労使関係をつくることが社労士の役割」。労働、年金、社会保険の専門家として経営者や労働者からの相談に応じ、助言を行う。支部では会員が法改正などの新たな情報を学ぶ研修会を開くほか、一般市民向けには街頭で無料相談会を開催。中学校で「働くこと」をテーマにした出前授業も行い、未来の働き手に労働の意味や尊さを伝える。「そうした地道な活動が人々の生活の基盤、さらには社会全体を良くすることにもつながると思う」
○…生まれは北海道だが、父親の転勤により、高校まで全国各地を転々とした。「本当は人見知りだけど、人見知りしている暇はなかった」と振り返る。大学卒業後は証券会社の営業マンに。「とにかく仕事がきつかった」と言うが、「営業トークや商談の運び方など、今思うと学ぶことが多かった」と苦労を感じさせない笑顔で話す。会う人が思わず笑顔になる気さくな話しぶりは、これまでの経験が糧となっている。
○…その後勤務した人材派遣会社が社労士に転身する契機に。労働環境の相談などを受けて「どうしたら解決できるのか」と日々考えているうちに、法律を基準に双方の主張を公平に判断し、解決へと導く社労士の仕事に興味を抱くようになったという。仕事をしながら2度目の挑戦で社労士試験に合格した。「誰もが気持ちよく働ける社会のため、まだまだやるべきことはたくさんある」。良い環境で働くことで社会が良くなることを、自らの仕事を通じて伝えていく。