豊富なデータをもとに講演する上野氏
県立かながわ男女共同参画センター（愛称かなテラス）のリニューアルオープン記念講演会「女性活躍社会の条件」が５月16日、藤沢市民会館小ホールで開催された。申し込み多数のため、会場を藤沢合同庁舎から変更して行われた同講演会。当日は約４００人の来場者が訪れ、ホールはほぼ満席となっていた。
講師を務めたのは、女性学やジェンダー研究が専門の社会学者で、東京大学名誉教授の上野千鶴子氏。あいさつでは「近年は国や自治体の財政的な事情により、全国的に女性関連施設が縮小されている。かなテラスも例外ではないが、リニューアルしても重要な部分をしっかり残してくれたと思う」と話した。また移転によるアクセス向上のメリットや同施設の改善点についての提案も述べた。
講演では、国の進めている「女性活躍社会」に向けた政策は実際的な効果を上げていないと指摘。冗談も混ぜた軽快な調子の語り口に会場からは笑い声も聞こえ、来場者は熱心な表情で聞き入っていた。
さらに女性の雇用形態とライフスタイルの関係を調査した統計データをもとに、「安定した雇用と経済力こそが、女性の権利や結婚・出生率の向上につながる」と語った。
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