1964年、東京五輪のヨット競技会場となった江の島で、国内外の来賓クルーザーや警備艇として活躍した2本マストの木造艇「やまゆり」。幾度もの廃船の危機を乗り越え、今も航海に出る。
長年、動態保存を支えてきた「NPO法人帆船やまゆり保存会」では、「2020年の東京五輪でも再び活躍の場を」と、広く支援を募っている。中村満夫理事長は、「何だかえらい重荷を背負ったなという感じだが、5年後も必ず美しい姿でこの江の島の海を走らせたい」と意欲を見せる。
腐食との闘い
船齢53歳になる”湘南の貴婦人”は、木造ならではの船底の腐食や水漏れなどがあり、維持には年間300万円もの費用が掛かるという。これらは、会員による年会費や寄付に頼るが、財政状況は常に厳しいのが現実だ。週末は会員らが観光客にビラを配って、1時間のセーリング体験を募り、運営費の工面や会員増に奮闘する。その甲斐があって、今では会員番号は500を超える。
「64年五輪で競技に出場したノルウェー国王(当時皇太子)が14年前に江の島を訪れた際、『あのやまゆりが、今もなお現役なのか』と感嘆してくれた。5年後は世界中の人に見てもらい、感動を分かち合いたい」
そのためには地元の人々の理解と協力が不可欠だ。「体験乗船でヨットの楽しさ、やまゆりの存在を知ってもらえるだけで嬉しい」と同会。体験セーリングは8月22日(土)、30日(日)、9月5日(土)、6日(日)の【1】午前10時〜、【2】11時〜、【3】午後2時〜、【4】3時〜(1時間)。乗船料は1000円(小学生以下500円)。
問い合わせは、同会【電話】0466・41・0307、【URL】http://yamayuri-club.jp/
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