ニューエルダーシチズン大賞を受賞した 若宮 正子さん 南藤沢在住 80歳
好奇心は衰えず
○…新しいことに挑戦する70歳以上の高齢者をたたえる「ニューエルダーシチズン大賞」に輝いた。80歳でパソコンやタブレットを使いこなし、シニア世代にICT活用を広めるため、パソコン教室を開き、インターネット上の老人会「メロウ倶楽部」の幹事を務める。「インターネットで外とのつながりを持つことにより、老後を明るく過ごすことができる」と思いを語る。
〇…高校を卒業して銀行に就職、定年まで勤め上げた。人生の後半、定年後に60歳を過ぎて始めたのがパソコンだった。当時、母の介護のため家で過ごす日が長く、「もともと、おしゃべりで出歩くのが好きだから、ストレス解消になるかも」と独習。パソコン上で会話をするチャットを始めた。新しい体験や知識を得ることに楽しみが広がり、のめり込んだ。
〇…16年前に発起人の一人となり立ち上げた「メロウ倶楽部」は、高齢者の積極的社会参加を情報化の支援によって促進しようという思いで開設した掲示板。談話室やシニアの生活情報、趣味のコーナーなどがあり、投稿者は同じ世代の悩みや相談などを聞き、自分なりの答えを返す。健康法や生死に関する考え方とさまざまだ。「生活情報や文芸コーナーなどハイシニアならではで面白い」。手作りだが会員は300人を超えている。
〇…東京生まれ。3人兄妹の末っ子。旅行好きで、これまで50カ国以上を訪れたという。性格は「とにかく好奇心は旺盛。情報発信型の人間」なのだとか。話題になれば格安スマホを購入して試し、LINEやFacebookといったSNSで旅や日々の情報を発信している。パソコンの指南書も出版し、エクセルと手芸を融合した「エクセルアート」の創始者という横顔も。「やりたいことがいっぱい。150歳くらいまで時間が必要。もしできるなら、自分独自のプログラムをつくりたい」。夢はまだ膨らんでいる。