神奈川県立近代美術館賞や新作家賞などの受賞歴がある高倉在住の現代美術家・熊沢淑(よし)(熊沢淑子)さん=人物風土記で紹介=が、85歳で初の作品集『風―異次元』(求龍堂)を出版した。デビューから49年、作品81点が収められている。
平塚高等女学校(現・江南高)を卒業し、19歳で小学校教諭の道へ進んだ熊沢さん。図画工作の授業の教え方に悩み、恩師の勧めで絵画を習い始めたことがきっかけで、美術家としての道も歩むことになった。
1968年、第7回県女流美術家展に初めて出品し入選。その後も新制作展や県美術展などに出品を続け、数々の賞を受賞している。常に新しい表現方法の可能性を追い求め、半抽象絵画をはじめ、鉛筆で描く作品、大型のカンバスにほうきを使って描く作品、さらに、カンバス生地をミシンで縫う作品などを創作している。
一方で、小学校教諭としても活躍。1974年に転任した大道小学校では、図画工作科の研究に携わった。その後、市教育委員会で子どもの個性を伸ばす「造形教育」の指導者として教師の指導のほか、市内全体の図画工作授業を受け持った。
熊沢さんは「2足のわらじを履き続けることは、大変なこともあったが、多くの人と出会い、助けられた」と振り返る。また「作品集を作ることで、自分の原点を知り、改めてその思いを実感した。本当にみなさんに感謝している」と目を細めた。
作品集は、市内書店で取り扱っているほか、インターネット通販サイトのアマゾンで購入できる。一冊3500円(税別)。
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